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第四章『願いと選択』【2】 ページ3

リリイとの待ち合わせ場所は、とあるファミレスの近くだった。

 瑠璃が待ち合わせ場所に辿り着いた時、ファミレスの入り口近くに佇んでいたリリイは、一人ではなく、彼の前には傘をさした女性二人の姿が在り。

「どうしてもダメですかー? お茶ぐらい・・・」

 二人組の女性が頬を赤らめながらリリイに、そう声を掛けていた。

 ―――――どうやら、ナンパをされているらしい。

 あの美貌なのだ、一人であのような場所に居れば、女性たちの目に留まるのも無理はないだろう。

 主人である御園の姿が傍に見当たらないようだが・・・。

 さて、どうするべきか、と瑠璃が眉根を寄せながら様子を見ていると―――――

「困りましたねぇ・・・こんな可愛らしい目で言われてしまうと。ひと肌脱がないわけにはいきませ・・・」

 両肩に手を掛け、そうリリイが言ったのを訊いた瞬間。

「―――――っリリイ!? 外でそれやったら駄目っ!!」

 ―――――犯罪になっちゃうから!? と、慌てて瑠璃が止めに走ろうとした刹那。

「脱ぐな!!」

 外だぞ!! という叫び声とともに、リリイの頭に、飛んできた空き缶が命中したのだ。

 それを投げたのは真昼だった。

「・・・良かった」

 ホッと瑠璃が息を吐き出すと、真昼と共に人型のクロがこちらにやって来た。

 その時点で、リリイに声を掛けていた女性たちは、リリイのあの行動を見て、関わらない方が身の為だと思ったのか、そそくさとこの場から立ち去っていた。

 クロはリリイが立っていた店の、入り口前の屋根の下に入ると、濡れた身体を猫のようにブルリと震わせ、雨粒を飛ばしていく。

「おや・・・瑠璃さん、真昼くん。お二人ともお待ちしてました」

 リリイはクロから飛ばされた雨粒が自身の顔にかからないよう、片手を上げながら、こちらに呼びかけてくる。

「クロ、そんなんじゃ本当に風邪をひいちゃうかもしれないでしょ。ちょっとしゃがんでもらえる?」

 今は人型なのにも拘らず、そんな芸当ができるなんて器用だとは思うが・・・。

「・・・おぅ」

 鞄からタオルを取り出すと、瑠璃は姿勢を低くしたクロの頭にタオルを被せて、ポンポンと軽く頭を撫でるようにしながら水分を吸わせていく。

 

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マユ(プロフ) - 紅羽さん» 変換洩れ、ご指摘下さいまして有難う御座います。後から加筆した文章が変換されていなかったようで・・・。再度、一括変換を行いましたので、全てのページがこれでされているかと思うのですが・・・。万が一、又発見されましたら遠慮なくご指摘下さいませ。 (2018年9月3日 21時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 『嘘に隠れた想いと描いた未来』【1】 の最後の話の前半、主人公の名前が変換されていなかったので、指摘させていただきます! (2018年9月3日 8時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - カナさん» 楽しみと言って頂けて、とても嬉しいです! 亀更新ですが、その分、頑張って執筆致します。コメント有難う御座います!! (2017年8月11日 23時) (レス) id: 8d3457ac29 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 続きが楽しみです! (2017年8月11日 22時) (レス) id: b5a85efb84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年6月27日 0時

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