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第四章『願いと選択』【4】 ページ19

一方、商店街にある、とある寿司屋では―――――

「一度取った皿は戻したらいけないんだよ。ベルキア」

 そこには憂鬱の真祖である椿と下位であるベルキアの姿が在った。

 回転するレールの上に、寿司を手に取ると同時に空となった皿を戻したベルキアに、椿が窘める様に、言葉を掛けると、

「え〜〜〜細かいなァ日本の文化はァ〜」

 いいじゃ〜〜〜んっ、と、ベルキアは眉を顰め、椿に問いかける。

「つばきゅ〜〜〜ん。あの嘘つき、いつ来るのさァ〜?」

 つい最近になってようやくぬいぐるみの姿から人型に戻ったベルキアが「ボクへの復活祝い持ってくるだろォなァ〜?」とひとり言のように漏らした言葉に「うん?」とそれに首を傾げる様子を見せた椿は、ふと感じた気配に、店の入り口の方を振り返る。

「来たみたいだよ」





 開かれた自動ドアの向こう側―――――そこに立っていたのは血塗れの『人』らしきものを片手に掴んだ、自身もまた大量の返り血を浴びた学生服姿の少年。

「やあ・・・機嫌悪そうだねぇ」

 それを気に留めることなく、少年に向かって、平然とした様子で椿が呼び掛ける。

 すると、少年は、その『人』らしきものを引きずりながら、ゆっくりと店内に入店し、椿の元までやって来る。

「いらっしゃいま―――――」

 入店して来た新しい客に、声を掛けようとした店員は、その異様な光景に言葉を失い、その場に居た客たちからは悲鳴が上がり、店内は騒然となってしまう。

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マユ(プロフ) - 紅羽さん» 変換洩れ、ご指摘下さいまして有難う御座います。後から加筆した文章が変換されていなかったようで・・・。再度、一括変換を行いましたので、全てのページがこれでされているかと思うのですが・・・。万が一、又発見されましたら遠慮なくご指摘下さいませ。 (2018年9月3日 21時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 『嘘に隠れた想いと描いた未来』【1】 の最後の話の前半、主人公の名前が変換されていなかったので、指摘させていただきます! (2018年9月3日 8時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - カナさん» 楽しみと言って頂けて、とても嬉しいです! 亀更新ですが、その分、頑張って執筆致します。コメント有難う御座います!! (2017年8月11日 23時) (レス) id: 8d3457ac29 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 続きが楽しみです! (2017年8月11日 22時) (レス) id: b5a85efb84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年6月27日 0時

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