第二十六章『賽の一振り』【2】 ページ5
―――――たとえばこの置かれたサイコロの底面は
一人目は《見えている面から推測できる「6」だよ》と言った。
二人目は《どうだろうオレにはわかんないな。「7」かも》と言った。
三人目は《オレが前に振った時は「6」だった・・・》と言った。
四人目は《僕が「8」にしといたよ》と言った。
―――――コーヒーを飲んでいる時、コップの底は見えないみたいに―――――
―――――テーブルクロスの下に何が書いてあるかわからないみたいに―――――
―――――紙の表と裏を一度には見られないみたいに―――――
―――――結局世界はどこか一面しか見えない―――――
―――――隠れた部分が多すぎる―――――
―――――誰も《俺》に―――――
―――――誰も《私》に―――――
―――――すべてを語ってはくれない―――――
―――――・・・《いや》―――――
―――――・・・《いいえ》―――――
―――――本当は誰もが「自分の見える世界」のことしか知らないんだ―――――
―――――《俺》は―――――
―――――《私》は―――――
―――――《俺》に―――――
―――――《私》に―――――
―――――見えている情報のみで何を考えるのか―――――
―――――《考えろ》!―――――
―――――《考えて》!!―――――
―――――【自分】は!!!―――――
真昼が右手に構えた槍を指先で大きく円を描くようにフォンと旋廻させる。
瑠璃も真昼の動きに合わせて閃光を纏ったロッドをブンと勢いよく振るう。
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マユ(プロフ) - ゆみめさん» 長らく更新を停止してしまい、申し訳ありません。また、そんな作品に対して、温かなコメントを下さって本当に心より感謝申し上げます。また、少しずつではありますが、物語を進めて行きたいと思っておりますので。変わらずお付き合い頂けましたなら幸いに思います。 (7月31日 2時) (レス) id: f50f5d2051 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみめ - こんばんは。SERVAMP新刊が販売され、単行本派の私はさらにまた深く知ることが出来ました。作品もまた更新されることを願っております。私すごくこの作品好きです…。 (6月28日 4時) (レス) id: 0ebd6e88ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2023年2月10日 19時