第四章『願いと選択』【2】 ページ50
「・・・あっ、俺リストバンド買ってこ」
反対側の服飾小物のコーナーに置かれたリストバンドが目に留まり、この前なくしてしまった為ちょうどいいと、それを手に取ると。
「なんだよー・・・・?」と眉根を寄せ真昼を見ていた桜哉の顔色が今度は蒼白になっていく。
「えっそれ・・・!? そ・・・それはやめれば〜?」
「え? 何でだよ・・・」
先程とは立場が一変して、今度は真昼が桜哉を怪訝そうな眼差しで見つめる側に為り。
「え―――と・・・その、あ〜〜〜・・・そう! それはっ呪われている!! 一度つけたら二度とは・・・」
迫真の演技とともに恐怖に顔を歪ませ、力説した桜哉に対し、すぐ傍のレジに居た店員が無言で、冷然とした眼差しを向けてくる。
それを目にした真昼は、居た堪れない気持ちになり、冷や汗を流すとともに頬を紅潮させながら、「変な嘘つくな!! あとお店の人に謝れ!!」そう桜哉に突っ込みを入れつつ。
すいませんっ、と店員に向けても謝罪をすると。
「・・・あーもーっ」という叫び声とともに、桜哉は自身の鞄から小さな紙袋を取り出すと「はいっやるっ」と言って、バッとそれを真昼の前に突き出してきたのだ。
その中身は、先程真昼が購入しようと決めたリストバンドと同じものだった。
「前に・・・真昼がなくしたって言った時に買ったんだよな。でも、なーんか渡すタイミングがなくて・・・」
そのまま鞄に入れっぱなしにしてしまっていたのだという桜哉の顔を、真昼は「桜哉・・・」と、リストバンドを手にしながら呆然と見つめる。
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【占ツク/本館/2017・06/26同日掲載】
朱臣 繭子
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年5月22日 18時