第二章『蝶と椿』【3】 ページ13
「あの変な弟どうにかしないとだろ!!」
また、ぼこられるぞっ、と言いながら、瑠璃の膝の上から黒猫の後ろ首を真昼は掴んで持ち上げる。
それから黒猫にだけ聞こえるくらいの囁くような声で、「それにあいつ瑠璃姉にもまた、ちょっかいかけてくるかもしれないだろ」と言うと。
「だから今、何か行動できるのは俺とお前。それから瑠璃姉の3人だろっ」
そう宣言した真昼の言葉に黒猫は、死ぬほどめんどくせ―――――・・・と唸ると、
「でも会うっつったって・・・オレ誰のメアドも知らねーし」
「メアド・・・瑠璃姉、今日会ったって云う、他の真祖の主人の連絡先とかって聞いてるのか?」
「・・・それは―――――」
真昼の問いかけに、瑠璃は答えようと口を開きかける。
その時、ひらっと何かが掛かれたメモが舞い落ちてきたのだ。
そのメモに書かれていたのは、連絡先であろうメールアドレス。
―――――瑠璃が御園と交換した連絡先と同じものだ。
「おい。こいつ絶対近くで話聞いてただろ・・・」
あえて、存在をアピールするために、寄越してきたのであろう。
メモを拾った真昼は、憮然として溜息を吐いたのだった。
※占ツク転記/17/5/22
【本館/17・4/15掲載/別館/17・4/16転記】
朱臣繭子
第三章『アリス・イン・ザ・ガーデン』【1】→←第二章『蝶と椿』【3】
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年5月22日 18時