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第二章『蝶と椿』【3】 ページ1

「・・・八番目・・・!? 兄・・・って。クロのほうが年下・・・に見える・・・けど・・・?」

「外見は関係ねーよ。吸血鬼は老けねーし・・・あとオレちょっと若く見られるんだよな」

 真昼の後ろから、顔を覗かせながらスリーピーアッシュが言う。

「知らねーよ」

チラリと後ろを一瞥した真昼は、最初の話はともかく、その後の個人的見解など、ど―――――でも良いと顔を顰めながら一蹴する。

「・・・でもオレはこいつ見たことねーぞ・・・?」

 スリーピーアッシュは『末っ子』を自称した、8番目の真祖だという椿の顔を見ながら、記憶を辿ろうとするかのように、首を傾けると、当惑した表情で口を開く。

「ねぇ他のサーヴァンプには会ったかい?」

 すると、椿はそう言いながらトンと空中に向かって跳ぶと、その場で宙返りをやって見せた。

「蝶とか蛇とかいろいろいるよ?」

 そうして、真昼の右腕に降り立ったのは、尾が二股に分かれた動物。

 気付けば、瑠璃の傍らに居たスリーピーアッシュもまた、人型から黒猫の姿に変わっており。真昼の肩の上で、2匹の動物のケンカが始まってしまう。

 ―――――といっても、一方的に、黒猫の方が相手の尾に、べしっと弾かれていたのだが。

「なっ・・・?! いててててっ、人の上でケンカすんなっ」と真昼が、声を上げると「にゃ〜〜〜!!」と黒猫が、瑠璃の方に向かって逃げてきた。

 すると、それを追いかけて、もう一匹の動物も瑠璃のところにやって来る。

 黒猫が居る右肩とは反対の左肩に降り立つと「コン♪」と鳴き声を上げた動物に対して、瑠璃は目を瞬かせると、

「貴方、もしかして狐なの?」

「え? そいつ、犬じゃないの?」

 と、真昼はしげしげと確認するように視線を向けてくる。

第二章『蝶と椿』【3】→



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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年5月22日 18時

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