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第二十四章『艱難辛苦』【2】 ページ6

しかし、そんな屈辱を味わされたのにも拘らず、吊戯はジルとレイを憎悪の眼差しではなく、狂気に満ちた笑みを浮かべながら見据えると。バッとまた襲い掛かって行って。突撃してきた吊戯に気づいた二人は、パン! とまた手を打ち鳴らした処で、すぐさま左右に距離を取ると。

「元気だねェ、兄ちゃん!!」

 不敵な笑みを浮かべたジルが吊戯に向かって右手を突き出しながら顕現させた武器である水を撃ち放ったのだが。

 バッと吊戯は身を翻してその攻撃を交わすと。すぐさま、タンッと跳躍して、攻撃に転じようとした。

「・・・!!」

 そこで今度はレイが吊戯の自由を奪おうと指先で枠を作って技を仕掛けるも。バチンと収めることが出来たのは吊戯の左脚のみで。

 ―――――速い。片足しか枠に収められなかっ・・・・・・。

 瞬発力が増していた吊戯に対し、レイは絶句するも。

 ズダッと横転した吊戯が右手の中に漆黒の剣を具現化させたのに気づくと。

「ジル!!」と相棒の名前を叫んだ。

 そしてその時、瑠璃もまた―――――

 ―――――駄目!! 吊戯さんにマザーさんの下位を殺させるわけには!!

「危ない!! ジルさんっ!! 避けて!!」

 吊戯の攻撃が迫っていることをジルに対して知らせる為に叫び声を上げていた。

「お嬢ちゃん・・・・・・っ!?」

 そしてジルが驚愕の声を漏らしたのと同時に、胸に突き刺さりそうになった漆黒の剣を、間一髪の処で駆け付けたレイが右手を差し出して止めたのだ。

「レ・・・」

 しかし、漆黒の剣はレイの掌を貫通していて。

「かまうなジル!! 来るよ!!」

 愕然となったジルにレイがそう言い放った時。目前には止めを刺そうとする吊戯がバッと迫って来ていて。

「―――――やめて吊戯さんっ!! もうこれ以上、誰も殺さないで!!!」

 吊戯に対して瑠璃が絶叫した刹那―――――

「・・・・・・っ」

 ほんの一瞬、ピクッと吊戯が反応を見せて。



 ―――――ズズン!



 それから地下にある建物内に激しい揺れが発生して―――――すべての灯りが落ちたのだ。

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マユ(プロフ) - yuiさん» 初めまして。兄弟戦争編を読んで下さっている方から。最新作の此方にコメントを送って頂けるなんて。私もまた歓喜に打ち震える想いです。お話を書かれる方が減ってしまった為。自給自足の日々ですが・・・これからも頂けたお言葉を励みに頑張ります!有難う御座います! (2022年9月18日 18時) (レス) id: f50f5d2051 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - まだこの章まで行ってませんが(なんならまだ9章)こんなに長く作成してくれてとても嬉しいです。コレからも頑張ってください (2022年9月18日 16時) (レス) id: b7d6eb1800 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2022年7月9日 2時

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