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第二十四章『艱難辛苦』【1】 ページ49

「・・・前回、助けられた分きっちり働いてやるっスよ!」

 そうして真昼とクロが事情を把握した処で、ロウレスはそう言い切ると。

「オレ達で狼谷吊戯を止めるっスよ! そうすればC3と吸血鬼の衝突も回避できて。瑠璃ちゃんも安心してコッチに戻って来られる! さらに兄さん達の拘束も外せるってわけっスね!」

 緻密な計画を披露して見せたロウレスに対して真昼が―――――

「そうだ! 俺の右ポケットに貸してもらったIDがある! エレベーターを動かせるはずだ!」

 イズナから借りた社員証の存在を思い出し、持って行ってくれ! と言うと。

「おっ! それならスムーズにたどり着けるっスよ!」

 ごそごそと真昼の上着の右ポケットを探って、社員証を見つけ出したロウレスは意気揚々とした様子で。

「さ―――――行くっスよ! 足引っ張ったら置いてくっスからね!」

「こっちのセリフだ。ボケネズミ」

 リヒトも気合に満ちた態度で。

 さっと息ピッタリに二人は声を掛け合ったのだが。

 しかし、進行方向だけは左右真逆の状態で。

「そっちじゃない!! こっちから行くんすよリヒたん!!」

 右を向いていたロウレスがリヒトに行先を改めるよう呼びかけると。

「あ゛?」とリヒトがまたロウレスを鋭い眼差しで睨みつけて。

「な―――――んでキレるんスかあ!!」と今度はロウレスもリヒトに食って掛かっていき。

 いまにもケンカを始めてしまいそうな二人に、あ―――――・・・とクロが微妙な面持ちで唸り。真昼もまた、一抹の不安を感じたものの。

「た、頼んだぞ・・・!」

 結局、そのまま出発した二人に『希望』を託す言葉を口にしたのだ。










※占ツク転記/22/05/22
【本館/22・05/23/別館/22・05/23掲載】

朱臣繭子

★艱難辛苦(かんなんしんく)⇒困難な状況に苦しみ悩むこと。

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★【回避対策・続編へのリンク】
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/dfd3b89a1b19/

真昼君誕生日祝い。寄贈漫画。(真昼君×夢主バージョン)→←第二十四章『艱難辛苦』【1】



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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2021年11月13日 19時

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