第二十四章『艱難辛苦』【1】 ページ47
「瑠璃と俺が女神と天使の力で浄化する」
リヒトがそんな決め台詞を口にすると。
「ん〜〜〜〜〜〜!? まあそう! 天使語で言うとそうっスね! そんですべてはその後で紐解きゃいいってことっスね!」
自分が話している途中で遮られてしまった事に対して一瞬、ロウレスは何とも言えない面持ちで唸ったものの、直ぐにリヒトの台詞も取り込んだうえで口述を纏めると。
「苦労して仲間にしたやつは―――――って兄さん言ってたっスよね? 役に立ってやろうじゃないっスか!!」
不敵な笑みを浮かべてそう宣言したロウレスと共に。
リヒトも凛々しい面持ちで「当然だ」と頷くと。
「なぜなら俺は」
左手を掲げながら、右手をクロスさせて。
『天使だから』
いつもの決め台詞をリヒトが口にした時。ロウレスもまた、左脚を掲げつつ、両手の親指と人差し指でリヒトの事を指し示しながら、茶々を入れるように息ぴったりと台詞を被せてきて。
「ってわけでここはオレたち強欲組に任せとけっスよ!!」
ヒュウ―――――〜〜〜!! と、さらにはやし立てるように騒ぎながらそう言い放ったのだが。
ええ―――――・・・と真昼とクロは揃って思わず何とも言えない面持ちで呻いてしまう。
―――――瑠璃姉って、リヒトさんの中では、いまだに『女神』っていう認識なのか?
真昼が当惑した中で、クロもまた、意味わかんね―――――・・・とぼやきを漏らすと。
「つってもオレら今、戦えないっスから」
先の台詞を撤回するような発言をロウレスがした事により、
「何言ってやがる俺は・・・」
お約束ともいえるリヒトとの口喧嘩が始まってしまうかと思われたのだが。
「はいはい。天使にも不調な時はあるんス!」
ロウレスはリヒトと喧嘩をすることなく、軽い口調であしらうと。
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2021年11月13日 19時