第二十章『不倶戴天の関係』【3】 ページ11
「「・・・・・・!?」」
「瑠璃姉っ!! クロっ!! 二人とも、平気か・・・・・・!?」
反射的に手で喉に触れた瑠璃とクロに、真昼が蒼白な面持ちで問いかける。
その間にトンと此方から少し距離を取った場所にまた着地した吊戯は、
「はっは! 知ってる? 国ちゃん! こういうのを『先手必勝』というんだよ!」
ぱっと笑みを浮かべると、左右の手の親指と人差し指を掲げながら、悠々とした態度で告げてきたものの。
「吊戯さん! どうしてこんなところで・・・っ。しかも、瑠璃さんにまでやるなんて!!」
ご立腹極まりない面持ちになった露木が吊戯を非難すると。
「えー? 大丈夫だって! 塔間さんが止めなかったんだから問題ないってこと・・・」
吊戯が羽織っていた上着をバサと翻しながら、小首を傾げつつ露木にそう言い返してきて。
「な・・・? 何ですか、今の魔法・・・!?」
そんな吊戯に対し、今度は真昼が色を失った面持ちで抗議をする。
吊戯は目を瞬かせながら「うん」と真昼を見遣った後にニヤッと笑みを浮かべると、
「これでもう、瑠璃ちゃんとキミはオレの管理下だ。これからオレと一定距離以上離れることはできないし。反抗すれば強制的に拘束もできる」
「な・・・っ」
吊戯から告げられた言葉に真昼が絶句した一方で。
「えっと・・・・・・」
「あ―――――・・・?」
瑠璃とクロが揃って、困惑の面持ちで眉を顰めると。
「あんまりやりたくないから、二人とも言うこと聞いてほしいな〜。とはいえ、瑠璃ちゃんに変なことをするつもりはないから安心してくれて大丈夫だよ♥」
はっは! と笑い声を上げた吊戯から、
「まあ、三人オソロイってことで♥ 仲よくしよ♥」
自身の首につけている黒いチョーカーを右手の親指と人差し指で示しながら、左手の親指と人差し指を向けられて、そんなふうに言われたものの。
「それはオレも瑠璃もけっこーです・・・」
「そうね・・・・・・吊戯さん、これ解除するにはどうしたらいいんですか?」
眉を顰めながら両掌を胸の前に出したクロとともに、瑠璃もまた眉を寄せつつ吊戯を見返すと。
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2021年4月25日 2時