検索窓
今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:24,728 hit

第十四章『“Life’s but a walking shadow”』【1】 ページ7

『ロウレスの居場所に心当たりはないか!?』

 と、いうクランツからの問いかけの言葉に真昼は困惑してしまう。

『さっきリヒトから電話があって・・・』

 そんな真昼に対し、クランツは事情を告げてくる。

 昨夜、ロウレスが立ち去った後、1人で先に帰ったリヒトはまたカラオケに行っていたらしい。そして早朝の6時頃に、ロウレスが部屋にいるか、確認の電話をクランツにしてきたそうなのだが。

 出掛けたままロウレスが戻っていないことを伝えた上で、どうかしたかとクランツが訊くと―――――『体がおかしい・・・』と、そうリヒトは返答してきたのだという。

「えっ!? 一体何が・・・」

『リヒトは今までロウレスを気にかけたりなんてしたことがない。それから『体がおかしい』とも言った・・・。オレが思うにおそらく・・・』

 ―――――吸血鬼(ロウレス)主人(リヒト)が離れすぎて体に異常が起きてる!?

 それがクランツと真昼が電話で話した上で出した見解だった。





「体が・・・重てぇ。前にクズネズミがなんか言ってたやつか・・・?」

 ずる、ずる・・・と歩道側の建物に手を突きながら、重い体を引きずるようにしつつ、帰路に着いていたリヒトは顔に冷や汗を滲ませながら、チッと舌打ちを漏らすと。

 ―――――以前、ロウレスから云われた件を思い出す。



『ってワケで―――――オレ達が離れて24時間経っちゃうとリヒたんは死ぬんスけど! まっオレが『リヒたんなんて死んでOK!』って思うまではうまく距離を保ってあげるっスから!』

『うるせぇ、今すぐ死ね』

 口端を吊り上げながら、小馬鹿にした様子で限界距離を説明してきたロウレスに対し、リヒトは憤慨した様子で蹴りを繰り出したのだ。



「上等じゃねぇか。あのクズネズミ・・・俺はこの程度で死ぬような天使じゃねぇ」

 みつけて殺す。―――――と、リヒトが柳眉を吊り上げながら漏らした時だった。



「・・・彼の人はかくも遠けり。仕方無し・・・」

第十四章『“Life’s but a walking shadow”』【1】→←第十四章『“Life’s but a walking shadow”』【1】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2020年4月25日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。