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第十二章『天使か悪魔か』【2】 ページ3

―――――傷の直りが遅ぇ・・・。

 ―――――こいつ・・・なんだ?

 ―――――まさか・・・



 正体不明の青年からの襲撃により、蹴り飛ばされ続けて、ビルの屋上にドンと転がったクロは、額から血を流しながら俯せの状態になっていた。

 そして朦朧とした意識の中でクロが視線を上げると、すぐ手前に降り立った青年もまた黙然とした眼差しでクロを見下ろしてきていた。

 そして―――――

 徐にまた左脚を振り上げると、クロの身体を蹴り上げようとしたのだが。

「クロ!!」

 そこにばっとホウキで飛翔してきた真昼が姿を現して。

「俺の相棒に何すんだっ!!」

 青年の蹴りを箒で食い止めようとした刹那。

 ―――――まるで磁力が反発し合うかのように、バチンという衝撃が両者の間に発生したのだ。

「「!?」」

 青年は眉間に皺を寄せ、真昼は呆然と目を見開く。

「―――――クロっ!! 真昼君!!」

 そこにパァと白銀の光が瞬き、真昼の後を追って『鍵』の力で空間跳躍を行った瑠璃が、クロのすぐ傍に顕現すると。

「―――――・・・・・・!!」

 青年は瑠璃の姿を、驚いた様子で凝視しながら動きを止めていて。

 それによって生まれた、ほんの僅かな隙をクロは見逃すことなく黒猫の姿に変わると、真昼の右腕にガブッと噛みつき。血を得た処でまたすぐに人型に戻ると、シュルルルルとジャケットの裾を操って、青年の身体をドンと拘束したのだ。

「よしっ。ナイス、クロ!」

 グッと真昼は右手を握り拳にしながらガッツポーズをすると。

「・・・・・・クロ、額の血を拭うからしゃがんで貰える?」

 パンツのポケットからハンカチを取り出した瑠璃が、眉を下げながらそう言った言葉に応じて腰を落としたクロは、

「お前・・・ホウキで飛べたのか・・・」

 瑠璃が傷の具合を確認しつつ血をハンカチで拭う中、真昼を見遣りながら言う。

 それに対し、「おう!」と誇らしげな笑みを浮かべながら真昼は頷くと、

「月の女神の加護があるとはいえ、悪魔とつるんで・・・魂持ってかれちゃっても知らねーぞ・・・」

「は? ・・・・・・月の女神?」

 呆れた面持ちで独創的な発言をした青年に対し、真昼は困惑の表情を浮かべてしまったのだが。

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マユ(プロフ) - 楓さん» 前作に続き、今作にもコメント下さいまして有難う御座います。ロウレスが夢主にオフィーリアの姿を重ねる話は他の方も結構書かれていたりする為。お約束は出来ませんが・・・・。今作も頑張って書き進めていくつもりですのでお付き合い頂けましたら幸いです! (2020年2月15日 18時) (レス) id: aafe96c388 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 今回のもとても面白かったです!出来ればなのですが、夢主さんをオフィーリアと似ているって思うロウレスって出来ますか?この小説とても面白いので、頑張って下さい! (2020年2月15日 10時) (レス) id: ccd9ca707d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2020年2月15日 1時

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