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第十三章『消せない罪』【1】 ページ19

最悪のビジョンが脳裏に過るも、真昼はそれを振り払うようにしながら、瑠璃と共に全力で一本道になった通路を走っていく。

「あった、大ホール・・・ここだっ」

 そうして辿り着いた処で大ホールのドアに真昼が手を掛けるもすんなりと開かず。

「うっ、ドア重い・・・・・・っ」

 真昼と瑠璃の二人で扉に力を込めて押すことで、何とかその扉は開かれたのだが―――――



 ―――――ドン



 ホール内に勢いよく吹き荒れる―――――灰塵の嵐―――――そして倒れ伏す観客だった者たち。

 舞台でスポットライトを浴びながら―――――ピアノを一心に奏で続ける―――――奏者のリヒト。

 そして客席の中央―――――そこに唯一人―――――無傷で両手を広げて悠然と立っているロウレス。



 ―――――パチパチパチパチパチパチ

 ロウレスはリヒトに向かって拍手を送るとともに称賛の言葉を口にする。

「ブラボー、ブラボー!」

 そんな、あまりにも衝撃的すぎるホール内の惨状に、真昼と瑠璃は愕然と目を見開き立ち尽くしてしまう。



 ―――――・・・・・・これ全部、椿の・・・・・・!?

 そして口元を右手で覆った瑠璃が無意識の内に左手をきつく握りしめると。

「―――――瑠璃・・・・・・」

 苦い表情を浮かべながら人型に戻ったクロの右手がそれを止めさせようとするように触れてくる。

「・・・・・・ありがとう、クロ・・・・・・」

 それに気付いた瑠璃は目を伏せると、握りしめていた左手の力を抜いていく。

 と―――――

「あっれぇ!? 兄さん!? 遅いっスよぉ、今ちょーど1曲終わっちゃった!」

 此方に気付いたロウレスが笑みを浮かべながら振り返ってきたのだ。

「これ全員・・・吸血鬼!? この数を2人で・・・!?」

 そんなロウレスに対し真昼が動揺した面持ちで顔を引きつらせながら叫ぶと、

「いやいや1人っスよ! 何人か逃げられちゃったっスけどねぇ」

 事も無げな口調でロウレスはそう告げてきて。



 ―――――嘘だろ・・・っ

 ―――――椿の下位にこんなに攻め込まれてるってこともだけど

 ―――――ロウレスって1人でもこんなに強いのか・・・っ

 ―――――でもこれはやりすぎじゃ・・・



 その言葉に真昼が衝撃を抱いた時。

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マユ(プロフ) - 楓さん» 前作に続き、今作にもコメント下さいまして有難う御座います。ロウレスが夢主にオフィーリアの姿を重ねる話は他の方も結構書かれていたりする為。お約束は出来ませんが・・・・。今作も頑張って書き進めていくつもりですのでお付き合い頂けましたら幸いです! (2020年2月15日 18時) (レス) id: aafe96c388 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 今回のもとても面白かったです!出来ればなのですが、夢主さんをオフィーリアと似ているって思うロウレスって出来ますか?この小説とても面白いので、頑張って下さい! (2020年2月15日 10時) (レス) id: ccd9ca707d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2020年2月15日 1時

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