第十一章『Alice in the Garden《スノーリリイ》』【6】 ページ8
それに対してクロは「向き合えね―――――・・・」と左手を首元に据えながらぼやいたのだが。
それはいつものことなので真昼は構うことはせず、
「クロ!! 瑠璃姉と一緒にサポート頼むぞ!! 俺が・・・」
武器であるホウキを手にリリイに向かって行こうとした処で、ビンッとクロが真昼の右腕に繋がっていた鎖を引っ張って止めたのだ。
その所為で背中から倒れこむことになってしまった真昼はいてぇっと悲鳴を上げると、
「何すんだよ!!」
「サポートって・・・フツー逆だろ・・・」
憤慨した面持ちで詰め寄ってきた真昼にクロは呆れた様子で、オレ吸血鬼、お前人間・・・と言い返す。
だって・・・と真昼は、尚も諦めることなく、言い募ろうとしたのだが、
「お前じゃムリだ・・・」
そう断言したクロは、戦闘態勢に入るように両手に漆黒の鉤爪を具現化させたのだ。
しかし―――――
クロが攻撃を仕掛けるよりも前に、リリイがゴッと右腕を勢いよく振りかざしてきて。
「クロっ!!」
クロが態勢を低くしたのと同時に、咄嗟に瑠璃が『鍵』の力を発動させて防御壁を張った事により、その先制攻撃は回避することが出来たのだが―――――。
「・・・ま、オレにも無理だけど」
クロは地面に伏したまま、ドキドキドキと心音を震わせながら、怖ぇ・・・と呟いていたのだ。
それに対し、すかさず真昼が「コラ―――――!!」と突っ込みを入れた刹那の事だった。
一旦、後方に下がったリリイが、その一瞬の隙を逃すことなく、ヒュと真昼に向かって背後から襲い掛かってきたのだ。
漆黒に染まったリリイの巨大化した左手に捕らわれた真昼の身体はドガと地面に叩きつけられてしまう。
「―――――真昼君っ!?」
防御壁を解除した瑠璃が真昼の傍に駆け寄ろうとしたのだが、ビリッとすぐ傍から伝わってきた怒りの気配にハッと息を呑み、視線をクロの方に向ける。
と―――――
「クロ!!」
制止の声を上げたのは真昼だった。
ビタッとクロの動きが止まる。
「・・・落ち着けよ・・・俺は・・・大丈夫だ・・・っ。早く・・・中から御園を・・・っ」
ぐぐぐ・・・と真昼は手にした武器で、リリイの手を何とか押し返しながら、此方に向かって訴えかけてくる。
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マユ(プロフ) - 楓さん» コメント、有難う御座います!又、ロウレスの登場、楽しみに待って下さっていたとの事で。ここまでお付き合い下さっている事に本当に心よりお礼を申し上げます!加えて、凄く面白いと言って頂けて本当に励みになりました。不定期更新ですが頑張って今年も執筆しますね! (2020年2月4日 21時) (レス) id: aafe96c388 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ロウレスの登場、ずっと楽しみにしていました!この作品、凄く面白いので、これからも更新頑張って下さい!! (2020年2月4日 20時) (レス) id: 4f59bad892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2019年11月9日 23時