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第十二章『天使か悪魔か』【1】 ページ46

けれど希望する大部屋が空いていなかった為に今日は帰るのだという。

「真昼君!! 相模さんから連絡が!! 目撃した人物が来たって!!」

「ホントか、瑠璃姉!!」

 今なら、未だ追いかけることが出来る。

「鉄!! 来た!! 俺と瑠璃姉とクロの三人で追う!!」

 そこで先に階段を降り始めていた鉄に真昼はそう宣言をすると、その後は瑠璃と共に階段を全速力で降りて行ったのだが。

「来たって・・・何が?」

 すでに鉄は此処を訪れていた目的をすっかり忘れてしまっていて。

 首を傾げながら真昼達を見送ったのだった。





「瑠璃姉、特徴は・・・・・・!?」

「黒い暑そうな服を着ていて、あと・・・・・・羽が―――――・・・・・・」

 キョロッと周囲に視線を巡らせながら問いかけてきた真昼に瑠璃は相模から聞いた特徴を上げる。

 すると真昼から「羽!?」と困惑の声が上がったのだが―――――

 その数秒後、ふと前方を歩いていた青年に視線を留めた真昼の表情が引き攣ったものになる。

「・・・羽だ・・・」

 青年の背中には、『羽』が生えた可愛らしい鞄が在ったのだ。

 わかりやすっ・・・と冷や汗をかきながら、その後ろ姿を真昼が凝視する一方で、

「おい、あいつあぶねーぞ。関わらないほうがいい雰囲気・・・」

 天使かもしれね―――――と瑠璃の肩の上に乗っていた黒猫が身体を微かに震わせながら小声で言う。

 それに対して「お前が言うな吸血鬼!!」と真昼が小声で突っ込みを返す。

 そんな二人のやり取りに苦笑を浮かべつつ、瑠璃もまた青年の事を注視していたのだが。

「・・・・・・あれ? 左手にあの人、何か持って・・・・・・」

 ―――――鉄の檻に・・・・・・ハリネズミ?

 あの青年のペットだろうか、という考えが瑠璃の頭に浮かんだのだが。

「ねぇ、クロ、真昼君。あのハリネズミさん・・・・・・何かジェスチャーしてる気がするんだけど・・・・・・?」

 こちらの存在に気付いたらしいハリネズミもまた、「キュイッ」と短い鳴き声を上げると、前足をじたじたと必死に振り上げて何かの合図を送ってきたのだ。

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マユ(プロフ) - 楓さん» コメント、有難う御座います!又、ロウレスの登場、楽しみに待って下さっていたとの事で。ここまでお付き合い下さっている事に本当に心よりお礼を申し上げます!加えて、凄く面白いと言って頂けて本当に励みになりました。不定期更新ですが頑張って今年も執筆しますね! (2020年2月4日 21時) (レス) id: aafe96c388 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ロウレスの登場、ずっと楽しみにしていました!この作品、凄く面白いので、これからも更新頑張って下さい!! (2020年2月4日 20時) (レス) id: 4f59bad892 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2019年11月9日 23時

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