第一章『誓約と契約』【2】 ページ15
「そう慌てんな・・・夜になれば出てくって・・・」
ひで――――奴だな・・・と、ため息を吐きながら痛む後頭部をスリーピーアッシュは擦ると、「とりあえずオレが人の姿の時に名前を呼ぶなよ」そう言い含めてきたのだが。
彼が云う『名前』というのは、果たしてどちらのことなのか。
―――――その答はすぐに明らかになった。
「俺、お前の名前なんか知らねーよ! 猫だと思ったからクロって・・・・・・」
真昼が黒猫に名づけた名を口にした瞬間、ヴンッという音と共にリビングに閃光が現れ。
光の輪がスリーピーアッシュの首回りに出現し、そこからさらに伸びた光が真昼の右腕にもまた輪を形成するとそのまま拡散したのだ。
―――――それは一瞬の出来事だった。
「・・・死ぬほどバカだな・・・」
「なっ・・・何だよ今の!?」
言った傍から・・・と、げんなりした表情を浮かべるスリーピーアッシュの胸ぐらを真昼は掴み問いただそうとする。
そこで、イラストが描かれたフリップをスリーピーアッシュは出してきたのだが。
「はー説明とかめんどくせー」
「めんどくさいならさっさとシンプルにやれ!!」
しかし、話は進まず―――――。
相性が合わない両者の間に、瑠璃が入ることで、漸く話を聞き出すことが出来たのだが―――――。
「飼われる専門の吸血鬼・・・!?」
契約した主人からのみ血を貰い、主人の命令には従う。
『
そして、先程のあれは『仮契約』というものなのだという。
お菓子の食べこぼしなど、散乱した床を綺麗にするべく、掃除機をかけながら真昼は話を聞いていたのだが、肝心な部分―――――『仮契約』した両者の距離が離れた場合、どうなるかというのに対して「まぁ・・・なんかなるぞ」という、スリーピーアッシュの適当な返事に「あーもーイライラするー!!」とまた叫び声を上げてしまう。
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マユ(プロフ) - ルルさん» とても嬉しいコメント、有難う御座います! 現在、最新シリーズでは原作の二巻をベースに執筆中な為。傲慢組や強欲組の登場はまだ先になってしまうと思うのですが・・・。私も彼らとの話は書きたいと思っているので・・・。気長にお付き合い頂けたら幸いです! (2018年4月27日 22時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - すごく面白かったです!傲慢組や強欲組との絡みもどうなるか気になりました! (2018年4月27日 20時) (レス) id: f9398f263f (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - AAAさん» こちらこそ、ご丁寧に有難う御座います。 (2018年2月20日 23時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
AAA - 返信ありがとうございます! (2018年2月20日 22時) (レス) id: ad871f5681 (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - AAAさん» AAAさん、コメント有難う御座います!面白いと仰って頂けてすごく嬉しいです! シリーズはパート4まで掲載中です♪続編を見るから、次のシリーズに飛べますのでどうぞよろしくお願い致します! (2018年1月15日 21時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年5月21日 21時