Precious Love

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『えー、あ、みなさん会いたい人、とかはいますか？』

『は？何急に』

『いいじゃん、別に！』

『松島が遂におかしくなりましたよ』

『いや、元からおかしいじゃん』

『ちょっとみんな酷くない？』









見てるだけで、心が和むような
仲睦まじい姿に思わず笑顔になる。









『それで、会いたい人！いないの？！』









少しキレ気味にそんな話を始める彼らを何にもないように見てるけど静かに鼓動が早くなっていて。



それは、“彼”の会いたい人が私であってほしいと願っている何よりの証拠だった。


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『ねぇ、勝利は？何も言わないけど』

『…俺は、……いますよ』









マイクを通しての声が聞こえた時、キャーってまた飛ぶ歓声。









『なんて言えばいいのかわかんないけど』

『なになに？』

『…一番、大切な人、かな』

『うわー、それ問題発言？』

『いいから、もう黙ってよく聞いて！』









年上がからかい始めたところを、年下組が蹴って黙らせる。




会場全体の人が、彼の話に集中していた。









『連絡すれば、すぐ会えるし』
『会いたいって言えば、何も考えずに会えるような関係なんだけど』

『だけど、？』

『会ったら、ダメだなって』

『なんで？』

『…抑えられなくなるから』









また、黄色い声が響き渡って。



でも私はそんな声も耳に入らないほど、“彼”の言葉が、声が、頭に木霊していた。


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『でも、』



『今こうして会いに来てくれてるから』



『俺は幸せですけどね』

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