君には逆らえない。

021 ページ21

.








.








A「ねえ、優斗くんっ」

優斗「………………」

A「もー、優斗くんってばあ…」







長い長い一日が終わって、放課後。




私の先をずんずん歩く優斗くん。

どうやら橋本くんと瑞稀話に花を咲かせているのに
相当ヤキモチを妬いていらっしゃるようで…


どんどん先に行っちゃうから、

態と歩くのを辞めると、






優斗「歩くの遅いんだけど」





こっちを見てちょっと睨んでる。


優斗くんの元へ急いで駆け寄った。






A「ねえ、ごめんね？いや、さ、
橋本くんに共通の知り合いがいて
世間狭いねえ？って盛り上がってただけでさ…」

優斗「へー、あっそ、別に聞いてないけど」

A「なっ、なんじゃそりゃ…」





とか言って、優斗くんの事だから
ちょっとは気になってると思うの。


あれから橋本くんと話し終わってから優斗くんの所に行って、

帰ろう って言ったら、

まあ〜不機嫌な顔をして、早く支度しての一点張りで。



こんな態度に出るの、

ちょっと面白いんだよね。笑







優斗「そんな橋本が良ければ、橋本と帰れば？」

A「出会ったばっかの人と一緒に帰るわけないし！」




てか、早く支度しろって言ってきたの自分だよね？！

仮に、もし仮に私が橋本くんと帰るって言っても
絶対許さないよね？！


まったく、安定の自己中だよ、優斗くん。

面白いから良いんだけどさ。





A「優……

『A？』






A「…ぇ、あっ！お兄ちゃん！」




優斗くんにもう一回謝ろうと思ったその時、

珍しく帰りの時間が被ったのか
お兄ちゃんの姿があった。


お兄ちゃんは走ってきたのか、ちょっと乱れた前髪を
ぐしゃぐしゃと、雑に整えた。




優斗「…あ、こんにちは」



お兄ちゃんの存在に気づいた優斗くんがこっちに来た。




龍斗「優斗くん久しぶり」

優斗「どうも」




そうだ、お兄ちゃんは優斗くんが今不機嫌だってこと
知るはずもないんだ。

そんな事は露知らず、

お兄ちゃんはいつもの笑顔で優斗くんに話しかける。




龍斗「仲良いんだね〜ほんと」

優斗「そうっすか？別に普通っすよ」




でも、今不機嫌でいつ爆発するか分からない
扱いがめんどくさい優斗くんと2人で帰るのは

ちょこーっと苦だったから、

お兄ちゃんが来てくれて良かった笑





.





.





.

022→←020

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す