君には逆らえない。

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優斗「うちに編入ってすごくね？」

A「うん、すごいね」







前の席の優斗くんが
私に、振り返ってそう言う。

一緒の事言ってるし笑。





先生が一旦教室を出て、

その例の編入生を連れてきた。







A「……ぁ、え」









先生「普通科文系コースから編入してきた、
橋本涼くんだ。」






……橋本涼 と紹介を受けた茶髪の彼は、

軽く会釈程度のお辞儀をした。



と共に、軽く湧き上がる女の子達の黄色い声。




…………うん、彼で間違いない。





彼は、このあいだ自動販売機の前で会った彼だ。









A「まじか……編入…って」




先生「橋本は、あそこの一番後ろの生徒の隣の席だ」


涼「はーい」








橋本くんは軽くちゃらそうに返事をした。



……あそこの一番後ろの生徒って

私じゃんか。









涼「……あ、」


A「…え？」







彼は自分の席に着く前に、

私を見るなり、何か思い出したように呟いた。







涼「レモンサイダーのれもんちゃん」

A「…れ、れもんちゃん？！」







それだけ言って満足そうに自分の席に着いた。



あ〜、クラスの人たちちょっと笑ってるよ〜…

恥ずかしくてしょうがない。







涼「ねえ、れもんちゃん」

A「はい！！」





……まずい、れもんちゃんで返事をしてしまった。





そんな事を思っているうちに、

ガタン、と隣にくっつけられた机同士。







涼「俺、特進用の教科書持ってないから見せてね」

A「あ、うん…」







一気に近くなった距離。


…やっぱり。



自販機で会った時もちょっと思ったけど、

非の打ちどころが無いくらいかっこいい。



…え？てかなんで茶髪なのこの人は。


まあ、そりゃ、
うちのクラスにも髪の毛染めてる人いるけどさ、


遥かに明るいよ？







A「ねえ、なんでそんなに髪の毛染めてOKなの？」


涼「…知りたい？」






…………いや、それより、もっと気になる事がある。






A「なんで特進に編入してきたの？」









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