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すぐさま藤井さんがそれを手に取って
パラパラと目を通す。





「えっ、と、大…あ、違う。
見易いように!私なりに…レイアウトを
変えてみました……
チェック、をお願いできます、か…」





段々と声が小さくなっていく私。

それと共に心臓の鼓動も増してくのが
自分でもわかった。


依然としてまだ資料を見続ける藤井さん。



私、なんでこんなに緊張してるんだろ…。





遂に藤井さんが資料を全部読み終えて
それを机の上に置いた。

と、同時に藤井さんの口から出る溜息。



…はあ、ダメか。


思わずそう思った。









______ 「頑張ったな」




「…え?」




俯き加減だった頭を上げると、

大きい手が私の頭の上に置かれた。


これは所謂頭ぽんぽんとやらだ…←







「これで、明日の会議は完璧にできると思う。
お前のお陰や」





お前のお陰。

そう言われて、思わず浮かんだのは大毅の顔だった。





「あの、大毅も、少し手伝ってくれて…」


「そっか、ちゃんとお礼でもしとけ」

「…あ、はい」





わ、意外な返事だった…。


この緊迫した空気に限界を迎えようと
してた私は、藤井さんに失礼しました。と一礼し、

この会議室を足早に出ようとした。







「待て」




静かなこの部屋に、藤井さんの低い声が響いた。


ドアノブに手を掛けていた手がずるっと落ち、
振り返ると、藤井さんが段々こっちに近づいてきた。



我ながら思う。

すっごく、綺麗な顔だって。


黙ってれば、ただのイケメンなのに。






「早瀬、小瀧と付き合ってるんか」


「…つっ、付き合って、ます…」





…なかなか、近い距離にいる。

さっき資料を渡した時よりも、
鼓動が早くなってるのがわかった。







「…そうか」




溢れるように洩らしたその言葉は、
沈黙の部屋に溶けていった。


解放されると思いきや、

藤井さんの顔がどんどん近づいてきた。



え?え?え?え?まってまってなにこれ。

反射的に目を閉じた。



キス、できちゃいそうな距離でそれは止まった。

思わずギュッとつぶっていた目を開けると、
私の唇の端を撫でるように触る藤井さん。


その表情が官.能的で思わずどきっとした。





「ご飯粒付けて歩き回んなや」



私の横を通って、藤井さんが出て行った。




「ご飯…粒?」




……ちょっと期待した私が、

ただの恥晒しだ。






.

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りんか - すごく面白いです。続きが早く読みたいです。更新頑張ってください (2017年8月29日 23時) (レス) id: 19de74de1b (このIDを非表示/違反報告)
- 007【暴力は奮われた事はない】→振るわれた だと思います。更新頑張ってください (2017年8月27日 22時) (レス) id: 1a0acc03b3 (このIDを非表示/違反報告)
____あめり。(プロフ) - みほさん» コメントありがとうございます(;_;)頑張ります! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 96f22d67e1 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 面白いです!初めてですか?頑張ってください! (2017年8月8日 23時) (レス) id: 8562a11d0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:____あめり。 | 作成日時:2017年8月8日 23時

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