# ページ38
涼介side
それからの記憶はほとんどない。
覚えているのは、気がつくと病院にいて
目の前で横たわる大ちゃんの周りには機械が
たくさんあって…
「失礼します。」
ドアの方で声がして、そちらを見るとあれから
ほとんど合うことのなかった田辺先生がいた。
田辺先生は大ちゃんに歩み寄って、
「有岡さん、分かりますか?」
と何回か声をかけると、
ゆっくりとでもしっかりと大ちゃんは
目を開けた。
侑李「…大ちゃん。」
田辺「有岡さん、誰だか分かりますか?」
大貴「…スゥ…たな、べ…せん、せ…?」
酸素マスクをしている上に、あまりにも小さな声は、昨日まで笑っていた大ちゃんとは大違いだった。
田辺「そうです。今から、有岡さんとメンバーの皆さんに、検査結果をお伝えしますね。」
田辺先生の言葉に大ちゃんは、ゆっくりと頷いた。
それを確認した先生は、俺たちの方へ顔を向けて、静かに頷いた。
田辺「では、説明します。今回、有岡さんの
身体を隅々まで調べさせていただいたところ、
以前の悪性リンパ腫の再発だと考えられます」
え、完治したんじゃ…
裕翔「完治したんじゃなかったのですか?」
田辺「以前、有岡さんが悪性リンパ腫を患った
際に“絶対に完治する”とは私自身申しておりません。あくまで、5人に4人の人が克服しているだけであり、残りわずかの可能性に有岡さんが入ることも充分想定内です。」
俺「…そんな。」
自然と発していた言葉は、大ちゃんの再発を
受け入れているかのようで悔しかった。
田辺「…皆さんには、今後があります。
ですのではっきりと申しておきます。
延命治療をするのであれば、
しないよりかは長く生きることが可能です。
…延命治療をしないのであれば、“1年”と言ったところです。」
JUMP「…っ…!」
1…年?
大ちゃん…が?
嘘でしょ…昨日まであんな笑ってたのに?
『山田ーー!』って笑ってくれたのに?
俺「…嘘だろ?」
もう俺は、自分を止めることができなかった。
俺「ねぇ、先生!!…嘘でしょ!?」
宏太/光「山田…」
ねぇ、教えてよ…
俺「…うっ…」
溢れだした涙は止まることを知らず、
次から次へと床へ落ちていく。
お願い、先生。
嘘だ。って言ってよ。。。
だけど、こんな俺たちの気持ちとは裏腹に、
あの人の決意はもう、決まっていることなんて
このときの俺たちには知る由もなかった。
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愛ingJUMP(プロフ) - カメラマリンさん» まゆん?りんてす! この小説読み終えたんだけど、ヤバすぎ。涙が止まらんのやけど。責任取ってよね。← (2019年12月8日 3時) (レス) id: 821ef3672a (このIDを非表示/違反報告)
よしりん(プロフ) - カメラマリンさん» だよねwwwあ、よかったわぁw卒業は寂しい〜 (2019年3月15日 7時) (レス) id: a57dd735da (このIDを非表示/違反報告)
カメラマリン(プロフ) - よしりんさん» それは、ダメだ笑笑 でも、アワータイム聴きながら、読んでくれたことは嬉しい!泣いてくれたことも。笑 明日は、もう色んな事が最後づくし。なんか、胸が熱くなってきた。笑 (2019年3月11日 19時) (レス) id: 75c0524d4f (このIDを非表示/違反報告)
よしりん(プロフ) - まだページ6位までしか読めてないんだけど、情緒不安定の時にH.our Timeを聴きながら読んだらダメなやつだねwもう泣いちゃったよ( TДT) (2019年3月10日 23時) (レス) id: a57dd735da (このIDを非表示/違反報告)
カメラマリン(プロフ) - あーりんさん» はじめまして!お陰さまで…ありがとうございます!新作了解です!すみません大ちゃんメインではないんです。申し訳ありません!(-人-;)メインはあなた自身にしようかと考えております。これからもよろしくお願い致します。 (2019年2月10日 11時) (レス) id: 75c0524d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カメラマリン | 作成日時:2018年11月23日 13時