オレンジ色の太陽

# ページ37

侑李side







都内でのアルバム製作のための打ち合わせ。






今日はあいにくの雨。




だいたい、アルバム製作のための打ち合わせの日は雨なんだよね。






そんなことを思いながら、マネージャーの指示で車を降りた。





１人１人傘を出し、
僕は大ちゃんの前に降りた。






みんなで会議室まで会話をしながら、
歩いていく。





僕「伊野ちゃん、目覚ましテレビ馴れた？」




慧「馴れるわけないよ。眠いもん。」




裕翔「本番中に寝ちゃダメだよ？」




慧「どうだろね…」




雄也「心配だね…笑」






そんな会話をして、あと少しで会議室というところまで来たときだった。







ヒカが話を振ったんだ。あの人に。







光「…だよね？大ちゃん。」






………。








あれ、大ちゃん？







後ろを歩いていると思っていた大ちゃんが
いなかった。





すると遠くで、膝から崩れ落ちる大ちゃんを
見つけたんだ。








裕翔「…大ちゃん！！」








ゆーてぃーの声で、みんなことの大きさに気がついたみたい。








みんな雨なんか気にすることなく、傘を投げ捨て、雨の中倒れる大ちゃんの元まで走った。







圭人「大ちゃん…大ちゃん！」








大ちゃんはすでに意識がなく、雨に濡れる姿は
大ちゃんの弱さを表しているようだった。








あれだけ、無理するなって言ったのに。







でも、無理をしてたのが分からなかった僕達にも責任がある。








僕「大ちゃん…起きてよ」







気がつけば、僕の頬には涙なのか、雨の雫なのか、濡れるものが伝っていた。








そうしているうちに、マネージャーやスタッフさん達も集まっていて、








そのうち大ちゃんは救急隊員によって病院へと搬送されていった。







ｻﾞｧｯ…









見送る僕たちの周りに降りしきる雨の音が、
より一層大きく聞こえた。









明日はオレンジ色の太陽が見えるかな、









大ちゃん。

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