【歌い手】目 隠 し 少 女

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(続き)



雷斗と付き合って、いろいろな人に慣れた頃



私は1人で出かけた


でも、それが間違いだった。





出かけた先で1番会いたくない人




･･･お父さんに会ってしまった



「久しぶりだな･･･まだ生きてたのか･･･」


あの日の事が脳裏に浮かんで



身体が動かなくなった


人通りも少なくて助けも呼べない


このままじゃっ･･･！








･･･雷斗の声が聞こえた気がして


身体が自由になった



気がついたら家にたどり着いていた




あぁ、もしかしたら夢だったのかも･･･



夢であってほしい。という願いも虚しく



私の腕には深い傷があった




雷斗はバレたくない！もう心配かけられない！


幸い、雷斗は家に居なかった





それから少し時間がたった頃


雷斗が疲れた顔をして帰ってきた



なにかあったの？

としつこく聞いても

なんでもないよ。 大丈夫、心配しないで


を繰り返すばかり。



『･･･も、もしかして、私のお父さんに･･･』



あの時家に帰ったら、私達の住んでるところがバレてしまうのは分かりきった事だ



『･･･雷斗、ごめんね。本当にごめんなさい･･･』


「あ、謝んないで！話すからっ！でも、僕が話したら･･･Aのその傷の話もしてね？」



バレていた･･･
雷斗にはなんでもお見通しなのか


雷斗の話を聞くと

私の思った通りお父さんに会ったらしい･･･



詳しくは教えてくれなかったけどね。


私も傷の事をちゃんと話した



手当もしてくれて傷はすぐに良くなった




でも、これだけでは終わらなかった




家のポストに
血だらけの昔、私が着ていた服
虫
白い粉
手書きの手紙


その他もろもろ･･･


雷斗は平気そうにしていたけど

私は限界だった

歌い手もやめた


この世界にいたくないと思ってしまった



雷斗が助けてくれなければもう無い命だ。



死 のう。



私はそう決意した。

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