【歌い手】目 隠 し 少 女

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夢主ちゃんside



なんで、目の前に･･･お父さんがいるの？


そっか、これは夢か。



あれ？顔に傷が･･･ない･･･



お、父さんが持ってるのは･･･ナイフ？



この光景･･･昔と同じだ･･･



私はここで、刺されて･･･



逃げなきゃっ！



･･･体が動かない




お父さんが近づいてきて




ナイフを振り下ろす




顔に激痛が走り


血飛沫が上がって世界が真っ赤になった



真っ赤な世界の中私は目を閉じた



＿＿＿＿＿＿＿


目が覚めるとソファーに寝ていた


あの日の出来事を夢で見るなんて･･･



雷斗が忘れさせてくれた事

頑張って忘れようとしていた事




全部思い出してしまった



何もかも、あの電話のせいだ




お父さんが憎くてなのか
自分が惨めだからなのか



知らぬ間に私は泣いていた



『･･･っ、うっ･･･』



私の嗚咽に気づいたのか、皆が近づいてくる




皆は無言で背中をさすってくれたり


頭を撫でてくれたり･･･




私の過去に触れないように接してくれてるのが分かる




でも、耐えられない



『･･･皆、私の話、聞いてくれる･･･？』




1人で抱え込むなんて、もう･･･無理だ




皆は一瞬、意外そうな顔をしたけど



優しい笑顔で


"もちろん！"って言ってくれた

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