貴方を永遠に……

21話 貴方side ページ24

いつもの様に朝食を一緒に食べ、アーサーさんを見送った。

アーサーさんが仕事に行き部屋に一人になった。

貴「あーあ…。今日、アーサーさん帰り遅いのか…。寂しいな…。」

いつもアーサーさんが仕事に行っているときは一人だけど、今日は帰りが遅いと聞いたのでいつもより寂しい気持ちがしていた。

貴「も、もう！落ち込むのやめよ！アーサーさんは遅くても帰ってきてくれるんだし！あ、そうだ薔薇の種にお水あげないと！」

アーサーさんの家のお庭には沢山の薔薇がある。それは全部私が来る前にアーサーさんが一人で育てたものだ。

なんで薔薇が沢山あるのにまた、薔薇の種を植えたかと言うと、ただ、単純にアーサーさんと二人で育てたという思い出が欲しかったからだ。

ずっと気にしていたことだけどアーサーさんと私は国と人だ。

私は必ずアーサーさんより先にこの世から居なくなる。だからアーサーさんに少しでも自分のことを覚えていて欲しかった。凄いわがままだし、迷惑だと分かっているけれど…。

そんなことを考えながらアーサーさんが育てた薔薇、二人で植えた種に水をあげた。

全て終わった時には、時計は短い針が10長い針が6のところを指していた。

貴「もう、10時半か…。早いなぁ…。何かお菓子でも作ろうかな。そうだ！フランシスさんから教えて貰ったバノフィーパイでも作ろ！」

バノフィーパイはイギリスのお菓子でタルトの上にトフィー、バナナ、生クリーム削ったチョコレートが乗ったものである。

貴「うん！材料もあるし、作るぞー！！」

そう言って作り始めた。タルト生地を作って、トフィを作っていたらもう12時を過ぎていた。

貴「いけない！お昼作らなきゃ！」

そうして今度は自分のお昼を作り始めた。パンが余っていたのでサンドイッチを作ることにした。

お昼を食べ終えると、またさっきのバノフィーパイを作り始めた。

タルトの上にトフィーを乗せて…、バナナ、泡立てた生クリーム。削ったチョコレート。やっと完成した時、ちょうどおやつの時間3時だった。






その後私は疲れたのか眠ってしまっていたようだ。




突然鍵が開いて玄関から誰かが入ってくる音で目を覚ました。

時計を見るとまだ5時。

アーサーさん？って思ったけれど帰り遅くなるって言ってたし…。げ、玄関の鍵閉めてあったよね！？も、もしかして泥棒！？

そんな考えはつぎの言葉を聞いてすぐに消えた。

英「ただいまー！」

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