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11話 貴方side ページ12

私はアーサーさんが、自分の為に一生懸命になってけくれてると分かっていても何も出来ずにいた。

ただ、この狭い遊郭の部屋の中で静かに待つことしか出来なかった。


菊さんが月に2、3回来てくれることがとてもありがたかった。

祖国様なのに…私のことを心配してくださるなんて。

よく考えてみれば、アーサーさんも菊さんと同じようなお方だと思った。

自分がアーサーさんを好きになることでアーサーさんに迷惑をかけてしまうことを考えるとどうしようもなく苦しくなった。

でも、大好きだったアーサーさんと同じ想いで嬉しくてただ毎日アーサーさんのことを思って1日1日を過ごしていた。

待っていた。アーサーさんが必ず来てくれると信じて。









私は約束の日の前の夜、月に向かって心の中で祈った。

貴〈アーサーさん…。お願いです、来てください…。〉

自分でもわがままだと分かっていた。

声に出しては花魁としていけないと思い心の中で呟いた。

貴〈アーサーさんを想い、願うことだけ許してください…神様。〉

私は悲しく寂しい気持ちになりその日の夜は1日寝ないで泣いていた。

約束の日。楼主さんはイライラしていた。

楼「くそっ!全然来ないじゃないか!!」

そう言いながらも夕方までは待っていてくれた。

でも、一人の男性が此処に入ってきたらしい。

何か話し合っている声が私にも聞こえた。

楼「な、こんなにお金を…!!」
男「お前にくれてやる。ただし、あいつは俺が買う。いいな?」
楼「も、もちろんです!!どうぞこちらです!」

誰かが買われるのだろうか。ぼっーとして時計を見た時18時になる30分前だった。

その途端大きな音ともに部屋の襖が開いた。

貴「えっ?」
楼「こちらです!どうぞよろしくお願いいたします!」
男「ほぉ。やっぱり綺麗だな。さすが花魁だ。覚えているか?」

その男の人はお金持ちで以前よく私を指名してくれていた人だった。でも、最近全然見なくなって忘れていた。

男「お前を買った。もう、俺のものだ。今から家に一緒に行ってもいいが、久しぶりだしな。お相手してもらうか。」
貴「きゃあ!」

私はその男に押し倒された。

楼「それではごゆっくり。失礼しました。」

楼主はゆっくりと部屋を出て行った。


時間は18時になろうとしていた…。

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イギリス(プロフ) - 猫寝子☆さん、教えていただきありがとうございます!なんと、お恥ずかしい間違いをしてしまい申し訳ありませんでした…。本当にありがとうございます! (2015年8月20日 0時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)
猫寝子☆(プロフ) - イギリスさん» イギリスさん!小説の中で家事が火事になってますよ! (2015年8月19日 23時) (レス) id: 8a5ede7088 (このIDを非表示/違反報告)
イギリス(プロフ) - そんなことないです!本当にありがとうございます!勉強になりました!続き頑張ります! (2015年8月13日 9時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)
スルメうめぇ - イギリスさん» いえいえ、こちらこそ図々しい言い方ですみませんでした。続き楽しみにしています。 (2015年8月13日 7時) (レス) id: 81cffa2620 (このIDを非表示/違反報告)
イギリス(プロフ) - ルキアさん、この小説を読んでくださりありがとうございます!まだまだ分からないことだらけで手探り状態なので読んで頂けるだけで本当に嬉しいです!フォローありがとうございました!本当に嬉しいです、ありがとうございます (2015年8月13日 6時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イギリス | 作成日時:2015年8月1日 16時

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