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見学もあって長引くかと思われた今日の撮影も、日が落ちる頃には終わった。宮原さんが手配してくれた送迎車で大学近くのコンビニまで送ってもらう。メッセージアプリを開くと、先生からの通知が二件ほど来ていた。


どうやら近くの喫茶店で待っていてくれているらしい。私なんかのために時間を割いてくれるなんて、と少し舞い上がったけどこんなのまたバレたら黒木さんに色々と言われそうで胃がキリキリする。


「すみません、待たせちゃって」
「気にしなくていいよ、柊さん撮影被ってるんだし。中間発表も近いんだし、休めるときにちゃんと休むんだよ?」
「大丈夫です!撮影中ものんびりしてるので」


ならいいけど、とティラミスとカフェオレをオーダーする先生。


「それで、お話っていうのは?」
「…先日は不躾に個人的な思いをぶつけてしまって申し訳ありませんでした。加えてその件以降、先生のことを避け続けていたこと、さっきのスタッフさんとの件も、たくさんご迷惑をおかけしてごめんなさい。…でも、まだ先生に対して個人的な感情を抱いているのは事実だし、諦めきれてもないです」


先生の目を見ていたけど、気づけば視線は斜め60°。視界はブラウン調のオシャレな机とほんのり湯気の漂うカフェオレ。先生がどんな顔してるのかとか、今は知りたくない。


「…てっきり柊さんに嫌われちゃったのかと思ってたから安心しちゃった。話しかけようとしたらいなくなっちゃうし、普段はあんなにいっぱいゼミにも来てくれてたのに来なくなっちゃったし、僕少し寂しかったんだからね!」
「傷心中にそういうこと言うのダメですよ、先生」
「、そうだね」


寂しかったって先生が思ってくれたことだけでも、私にとってはもう十分だ。これからちゃんと踏ん切りつけよう。


「そうだ、柊さんご飯は?この後花江さんとこで食べる予定なんだけど…」


普段の私ならこんなお誘い喜んで着いてっていたんだろうけど、黒木さんにあんな啖呵切った手前、それ以前に先生に対してこれ以上迷惑かける訳にもいかないし。


「ゼミの中間発表の件で呼び出されちゃって…、お誘いはすごく嬉しいんですけど、また後日にでも誘ってください」


そっか、としゅんとした先生を見るのも心苦しくて、カフェオレを一気に飲み干す。初めて口をつけたカフェオレは話しすぎたせいなのかちょっとぬるくて、甘いはずなのになんだかほろ苦かった。

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みか(プロフ) - ドキドキしながら一気に読ませていただきました!早く続き見たいです!また更新待っています! (2022年3月21日 11時) (レス) id: b85022f684 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream  
作成日時:2021年9月12日 2時

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