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授業も無事終わって暇なので占い業でもしようかと準備をしていると、すみませんと声をかけられた。


「はい、なんでしょうか…って藤谷更紗!さん!」


しー、とジェスチャーされた。大きな声出してごめんなさい。勢い余ってフルネームで呼び捨てしちゃったよ。


「えっと、どうしてここに?」
「占いがすごい当たる子がいるって有名だったから。ほらこれ」


SNSでもちょこちょこ書き込まれているみたいで、サイトの一部を見せてくれた。エゴサーチとかしたことないからこうやって言われているのも変な気持ち。


「じゃあ失礼しますね…」


そっと手を取るとドラマなのか映画なのかわからないけれど、撮影風景が見える。感情的に気持ちを吐露する藤谷さん。報われない努力、女優としてのプライド、芸能界の厳しさ。思いの外感情移入してしまってちょっと泣いた。


「周囲の人間は、あなたのことを思っていますし理解してくれています。辛いことも、心無い言葉を投げかけられることも少なくないだろうけれど、これからも頑張ってください。私も応援してます」
「そ、っか」
「更紗!そんなとこにいたの」


先程のマネージャーさんがこちらに向かってきた。そうだよね、学生に手を触られてるやばい構図でしかないもん。


「ねぇ、この子起用するのはダメ?私気に入っちゃった!」
「気に入っちゃったって、あんたねぇ…」
「お願い!」


起用?なにが?とぽかんとしていると、主演映画に出演してくれないかと頼み込まれた。セリフも一言二言だけでほとんどエキストラと変わらないからと熱弁される。


正直ちょっと驚いたけど、事の顛末を見届けたくて二つ返事で承諾した。


「ごめんなさいね、この子のワガママで…」
「いえ、私なんかで良ければぜひ!」


撮影のスケジュールは追って連絡するねと言われそのまま解散。引き受けたのはいいけど、課題とかそのへんの調整が上手くできるかが不安だ。


それに、深町くんがどうやら嘘を聞き分けられなくなっているみたいだし。この前深町くんに手を握られたせいで色々見えてしまった。お節介かもしれないけど、なんとかしてあげたいと思った。


先生の調査についていかせてほしいと頼むべきだったんだろうけど、藤谷さんのことも心配だし、何より先生に迷惑をかけるわけにもいかないし。


瑠衣子先輩に映画出演することになりましたと一応連絡しておこう。これから忙しくなりそうだ。

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みか(プロフ) - ドキドキしながら一気に読ませていただきました!早く続き見たいです!また更新待っています! (2022年3月21日 11時) (レス) id: b85022f684 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream  
作成日時:2021年9月12日 2時

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