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例のチンアナゴの抱き枕と、冷えピタとスポーツドリンク。あと深町くんの家に何が置いてあるのかわかんなくて適当に買ったたまごと素麺と、ちょっとしたお野菜。
課題をやるためのノートパソコンを閉まって、少し家を整理整頓してから深町くんのところに向かうことにする。
もう家を出ようかなという頃に、インターホンが鳴り響いた。なにか買い物したっけ。心当たりは全くないけど、とりあえず一応モニターで確認。
「こんにちは。先日の件でお話がありまして」
「…支度するんで少し待っていてもらえますか」
備え付けのインターホンに表示された、べっとり張り付いたような作り笑顔に冷ややかな声。黒木さんだ。先日の件っていうより、先生に近づくなってことを言いたいだけの癖に。
ねちっこく嫌味ったらしく、それでいて遠回しに牽制をかけてくるんだから喋るのも億劫。ドアを開けば、突然押しかけてきてすみませんと謝られた。絶対すみませんなんて1ミリたりとも思ってない。
「先日の彰良さんとの外出の件についてなのですが」
「あれは私のわがままで付き合ってもらっただけです、先生は何も悪くない。この前の外食だってそう、私のわがままです」
「左様でしたか。何度も申し上げておりますが、金輪際、彰良さんには関わらないでいただいても?貴方の存在は迷惑ですので」
「わかってます、もう私用で先生に関わるつもりはないので」
「珍しい。あなたが素直に聞き分けるなんて。…まぁいいでしょう。不審な行動があればすぐに顔を出しますよ」
それでは、ときっちり三十度にお辞儀して去っていった。大きなため息と小さな舌打ちが廊下に響く。健ちゃんさんから聞いた話だけど、定期的に先生のとこにもねちねち言いに来てるらしい。家に泥を塗るなだとか社長…、先生のお父様に迷惑をかけるな、とか。
黒木さんにはもう私用で関わらないとか大見得切ってみたけれど、スマートフォンのロック画面はあの日のツーショットのまま。早く深町くんに話したいな、なんて思いながら家の鍵を閉めた。
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みか(プロフ) - ドキドキしながら一気に読ませていただきました!早く続き見たいです!また更新待っています! (2022年3月21日 11時) (レス) id: b85022f684 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2021年9月12日 2時