#4 白い服の幽霊の怪 ページ1
この前のデートであんなやらかすと思ってなくて、まだメンタルも完全復活していないというのに、なんと今日は高槻先生の般教の日。
サボってしまおうかと思ったけど、深町くんにデートのことも話せてないし、お土産も渡せてないし。
とりあえず話したいことだらけだったから授業には出ることにした。これからは先生に心配かけられないし。
普段なら構内で深町くんを捕まえて、お昼を一緒にとってから講義を受けるのがお決まりだったのだけれど、深町くんを捕まえられなかった。いまどこいるの?と送ったメッセージも未読のまま。
一人寂しく授業を受けていれば、先生が不思議そうにこちらを見ていた。未だにぎこちなくなってしまう笑顔を何とかしたい。すっぱり諦められたらどんなによかったんだろう。拗らせまくった結果、結局今も未練たらたら。
どうやら深町くんは他の講義にも出てないみたいで。講義終わったら難波くんにでも聞いてみるか。
「ねぇ難波くん、今日深町くんって他の講義出てた?」
「深町っすか?いや、今日は見てないですね」
「そっか、ありがと」
「そのうち俺のことも占ってくださいね!」
気か向いたらね、と軽く返しておく。先生も事情を把握していなさそうだし、深町くんが何も言わずに講義を休む子だとは思えない。たぶん、なにか言えない理由が…、あれ、そういえば深町くんの未来も先生と同じく一部途切れていたような。
これはまずいと思って深町くんに電話をかける。安否確認を兼ねて。
「もしもし深町くん?生きてる?今日どしたの?」
「ちょっと…風邪ひいちゃって」
「深町くん一人暮らしだよね、ゼリーとか買っていこうか?」
「いや大丈夫です」
「欠席連絡もろくに出来ないのに何が大丈夫なの、深町くんってそういうとこおバカさんだよね」
小声ですみませんと返された。病人相手にムキになりすぎたかな、なんて思っていればいつの間にか電話は切れていて、代わりに位置情報が送られてきた。どうやら深町くんの住所。
お土産の抱き枕持っていって、消化のいいものでも作ってあげよう。枕元で散々だったデートの話でもしてあげようかな、なんて思えるくらいにはメンタルは戻ってきているみたい。
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みか(プロフ) - ドキドキしながら一気に読ませていただきました!早く続き見たいです!また更新待っています! (2022年3月21日 11時) (レス) id: b85022f684 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2021年9月12日 2時