好きになる以外の選択肢。

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普段より数時間早い起床。先生が来るのは9時だからそれまでには完璧に仕上げておきたい。いや、普段も毎日それなりに身嗜みには気を使ってるけど！


別段肌荒れ等もないので基本的に朝は水洗顔。化粧水から下地までを一通りこなして、化粧に取りかかる。きらきらとしたアイシャドウは見ているだけで私の気分を高めてくれる。まるで小さな魔法みたいだ。


いつもより緩く髪を巻いて、アイラインを引いて、薄くオレンジのリップティントを塗って完成。どこかの誰かが化粧は引き算だと言っていたので、チークとリップは控えめにしてみた。今日限りは、先生の隣を歩いていて恥ずかしくないような女性じゃなくちゃ。


新調したレトロチックなベージュ色のセットアップ。プリーツの入ったスカートがかわいくて、一目惚れしてそのまま買ってしまった。自分で言うのもなんだけど、結構似合っていると思う。悪くはない、はず。


それでもあまり自信が無いので、事情を説明してから姿見で撮った写真を深町くんに送り付ける。数分すれば、似合ってますよと返信がきた。あとお土産の催促も。ぬいぐるみとかでいい？って聞いたら既読無視された。


朝ごはんを食べて、昨日終えられなかった課題を片付けていれば、あっという間に9時前。普段はつけない淡い黄色の香水を纏って、セットアップに合わせたスクエア型のショルダーバッグにリップやらハンカチやらを詰め込む。


もうすぐ着くよという先生のメッセージ通知。あぁいよいよデートなんだなと実感。 私ももう出ます、とメッセージを送りながら家を出た。

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