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琴子さんが高校時代は優秀な選手で、大学に進学することを希望していたけれど、家庭の事情で諦めて就職したこと、これも全部瑠衣子先輩の調査でわかったみたいだ。
瑠衣子先輩のフィールドワーク、もはや探偵みたいでびっくりする。琴子さんと綾音さんが並んで座って、先生が
奉公先に出された梅という少女の奇病の昔話。体が痛むらしく、痛むところをさすれば体内から針が出てくる。治療をしても病気は治らず、結局家に返された、という話。
現象と、解釈。人々は自身の理解できない現象に名称をつけたがる。そう解釈することで、自身の理解できない現象ではなくなるから。
人は、妖や呪い、物の怪のような類の怪異よりも自身の言葉で説明できない現象を恐れるから、と高槻先生が以前言っていたことを思い出す。
綾音さんの未来で見たものと今は視点は異なるけれど、殆ど一致する。気になって綾音さんの方向へと視線を動かせば、少し顔が強ばっていて。
自身を刺していた梅の気持ちがわかるのでは、と先生が問えば、分かりませんと首を振った。思わず深町くんのほうを見れば、顔を顰めていて。
前みたいに倒れられるのはもう嫌。慌てて深町くんにとりあえずスポドリを渡す。スポドリでなんとかなるのかはわかんないけど。
恵まれた環境にいる妹、自分を犠牲にしてまで応援してくれる姉。実力を出せないという現象に、呪いという解釈をつけた妹。姉のエゴと期待。押し寄せる過度なプレッシャー。
どちらが悪いとか、正しいとかそういうのではなくて、この姉妹には話し合いとか、コミニュケーションとか、単純に、気持ちを吐露する機会が足りなかったんじゃないかな。私は第三者だから本質はわからないけど。
互いに謝り合う二人。これからも応援を望む綾音さんと、それを継続すると話した琴子さん。視界の端からすっと深町くんが消えたので焦る。待って…嘘なのか、これ。
「深町くん、大丈夫？辛かったら体預けていいよ、むりしないで」
「…っすいません、少しだけ肩貸してください」
ずしりと肩に感じた重み。すこしくすぐったい。深町くんが頼ってくれたのが嬉しくて、なんだか先輩っぽいことしてる気がする。
これにて万事解決、ということでいいんだろうか。彼女たちも今回の件を糧に前に進んでくれると良いのだけれど。
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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます！(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ。 | 作者ホームページ：https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時：2021年8月9日 0時
