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昨日は結局、また実験に失敗して帰るのも遅くなってしまった。後片付けも私が担当なので、家に着いたのは12時前。クレンジングとお風呂だけは何とか済ませて、1時前には寝た、はず。


「ねっむ…」


なぜこんなに眠いのか。理由はひとつ。睡眠時間が足りないからです。また今日もいつも通りの時間に起きて…たつもりだったけど、30分寝坊しちゃってめちゃめちゃ焦った。


朝がズレたぶん、学内の人の量も大きく変わるから気をつけないと。私だとバレないように、俯きながら走り抜ける。


急にぱしりと捕まえられた腕。え待って誰…。


「俺のこと、占ってくれるって言ったよね?」


うげ、昨日のイケイケ陽キャ集団の先輩。ごめん今も時間ない。学部も研究室も違うんだから、人様の予定なんか気にもしてないだろうけど!


「ごめんなさい、今ほんとに急いでるので」
「は?今も時間ないの?いや嘘でしょ」


ぐっと握られる腕。痛いけど、振り解けるほど私に力がないことくらい分かっている。


「じゃあキミの連絡先教えて?暇なときに俺に連絡してくれりゃ済む話じゃん」


は?もういい加減にしてくれ…こんな傲慢なやつ誰が相手にすんのよ…。こちとらまだ実験準備もろくに出来てないっつーのに、馬鹿じゃないの。


やるせない気持ちからなのか、それとも痛みからなのか、じんわりと視界が揺らぐ。仕方なくポケットを漁ろうとした、そのとき。


「女の子に手をあげるなんて、非常識すぎるよ」
「たかつき、せんせ」
「君の学部も学科も名前もわかってるから、それ相応の対応をするけど、いいよね?」


なんでそんな細いのに相手の手を捻れるくらいの力あるの。なんでそんなに息切れしてるの。どうしてそんなにかっこいいの。


「あれ、行っちゃった。柊さん、大丈夫?怪我してない?」
「大丈夫…じゃないです、高槻先生、もうなんでそんなにかっこいいの…」


褒めて貰えて嬉しいよ、と軽く受け流される。腕を捲ると、少し手の跡がついていて。


「先生、見て?なんかこれ幽霊に掴まれた跡みたい」
「こら、笑い事じゃないでしょ。自分のことは大切にしなさい。柊さんがお嫁さんに行く前に怪我されたら僕困るって…ちゃんと冷やすよ」


笑って過ごそうと思ったけど、高槻先生には通用しないみたい。珍しく怒られちゃった。

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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます!不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします! (2021年8月24日 20時) (レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます!(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream  
作成日時:2021年8月9日 0時

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