微睡んでるときが一番心地よい ページ15
部屋着…というか仕事着を着たまま出てきてしまった。薄着だし、夜の気温は低いし。風邪をひきそう。
何分くらい歩いたかな。ようやく万事屋さんの家に着く。眠いし、寒いしの究極状態にあった私は、階段の途中で意識を手放した。
・
「ここは…」
見慣れない天井…ではあるが、これは…、万事屋さんの家?
「お、起きた?帰ってきたら階段でAちゃん倒れてんだもん、一気に酔い覚めた」
いつもの着流しではなく、パジャマ姿の万事屋さん。そうだ、万事屋さんのとこに泊まろうとして途中で寝落ちちゃったんだっけ。
「土方くんからあとは頼むって連絡あったけどさ、何があったのよ。銀さんに話してみ」
「…また、その、沖田総悟にやられまして。しかも本店…私の住居そこに置いてたんですけど」
暖かい甘めのココアをいただく。この先どうしよう、仕事関連のものだけは無事であってほしい。
「とんだ災難だな…、もしかして不幸体質?」
「あながち間違ってないですね。万事屋さんにもご迷惑おかけして…すみません」
「いーよ、気にすんな。それと、万事屋さんじゃなくて銀さんでいい」
私が気負わないようにしてくれているのが万事屋さん…、銀さんなりの優しさだ。まぁ気負うも何も私が悪いわけではないんだけども。
「ひとまず、朝飯にするか」
神楽起こしてと頼まれた。銀さんは朝ごはんを作るとのこと。
普段はああだけど意外とハイスペックなのかもしれない。神楽ちゃんは某猫型ロボットよろしく、押し入れで寝ていた。寝顔も可愛いなんて何事だろうか。
「神楽ちゃん、朝だよ、起きて」
「銀ちゃん…、いつからそんなべっぴんさんに化けれるようになったアルか、マダオ極めたらべっぴんさんになるアルか」
マダオ?マダオとはなんぞや。寝ぼけている神楽ちゃんを眠気から覚まさせる。
「おはよう神楽ちゃん、目は覚めた?」
「A姐、A姐アルか!銀ちゃんがA姐みたいなべっぴんさんになれるわけないアル、寝ぼけてたヨ」
べっぴん?私が?神楽ちゃんの方が数億倍かわいいのに。もしも妹がいたらこんなかんじなのかな、なんて思いつつ、朝食の支度をした。
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時