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序章 ページ1

某日 京都校



「──真依っていつもソレ持ってるよね」


三輪霞が“ソレ”と言って示したのは禪院真依の手にある黒いハンカチだ。

いまさっき真依が使ったのは白いタオルハンカチ。黒いソレは白いハンカチを取り出す際に一緒に出てしまったもの。使われることなく、真依のポケットにしまわれそうになったソレを三輪は訊ねた。



「これ?」

黒いハンカチを広げて三輪に見せる真依。

上等なシルクで出来ている高い代物だろうと、あまりブランド等に詳しくない三輪でも分かる。


だが、黒地の布に青い蓮華が刺繍されてるそのハンカチは真依の趣味ではないな、と三輪は首を傾げた。



「貰い物……というか借り物かしら」
「どういうこと?」
「昔、実家で会った男の人が渡してくれたの。曲がり角でぶつかっちゃって尻もちついた私にね。……実家で会ったなら呪術関連だろうと思って、会った時に返せるようにずっと持ち歩いてるんだけど………」
「いまだ会わず、と。なんか少女漫画みたいだね」
「そんなことないわ」



もう10年以上も前のこと。真依とて本気で返せると思ってる訳でも無い。幼い頃のことだから、真依もあまりその人のことを覚えてないのだ。




『うおっ……気付かんかったわ。すまんなぁ怪我とかあらへん?』

『ちゃんと前見て歩かなあかんでお嬢さん。気ぃつけてな』





────綺麗な青色

肆拾→



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チョコドーナツ(プロフ) - う……ようやく向き合えたんですね……(´;ω;`)二人がどう接し合うのかすごく気になります!楽しみにしてます! (12月27日 22時) (レス) @page12 id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました...泣きました…最高です (8月10日 1時) (レス) @page12 id: 4dcc3dce6a (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 面白かったです…!双子の兄弟が向き合えて良かったです…!!続き気になります!! (2022年9月28日 0時) (レス) @page12 id: 8832d32b96 (このIDを非表示/違反報告)
凉月 - とても面白かったです‼できればでいいんですが後日譚や番外編が読みたいです…‼ (2022年7月11日 2時) (レス) id: e80a4daaf8 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ここでか・・・ここで終わるか・・・続き読みたいです!(無理はしないで下さい) (2022年7月4日 17時) (レス) @page12 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作成日時:2021年2月6日 19時

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