刀が二十八振。 ページ34
「まずは、4階まで…!」
エレベーターを見るがエレベーターが今あるのは8階。
「エレベーターを待つより階段のほうが早いか…!」
ダッと階段を駆け上がる。
早く上へという思いについてこない自分の足。どんどん上がっていく息。
「はっはっ…っ!はぁ…!まだ、3階…!!早く、もっと早くっ!!!」
今より自分の体を呪ったことはない。
僕がこんな弱い体でなければ、もっと早く、こんな階段すぐに登れて…。こうしてる間にも鶴くん達は危険に晒されてるというのに、火事場の馬鹿力とはなんなのだろうか。
ふらふらになりながらも何とか着いた4階。ガクガクと震える足に鞭を打ち、走る。
先輩さんに教えてもらった地図を思い出し、その場を目指す。
「関係者以外立ち入り禁止…、ここか!」
ダンッ!と扉を開けるとそこはコンクリートのむきだしの壁に、さまざま機械やパイプなどが入り乱れる部屋だった。
細い通路を抜け、ブレーカーを探す。
「ブレーカー…?どこでしょう」
ふと、向こうに光が漏れているのに気がついた。近づくとそれはお目当の配電設備を管理する機械らしい。タッチパネル式の画面を操作する。あと少しで、というところで画面が別の画面に遮られた。
「!? please enter password…!パスワード!!?どうすれば…!」
頭をフル回転させるも、解決策は思いつかない。だんだんと疲労した体が考えることが放棄する。
「駄目だ駄目だ…!あともう少しなのに…!!」
頭が真っ白になる。そのとき、ピッ、ピッ…ピッと操作音が聞こえた。
驚いて画面を見ると、何もしていないのにもかかわらず、パスワードが次々と入力されている。
「!?…なんで?…あ」
『ちょっと知り合いのパソコン強い奴にハッキングの依頼を…』
『ホワイトハッカーというやつですか』
「っ!配電中止!」
(ああ、僕はいろんな人に助けられてばかりだ。)
急いで電気の供給を止める。A館とB館は配電設備が同じらしく、B館にいるはずの僕の部屋も電気が落ち薄暗くなった。
「はあ、ハッカーさんに感謝しなければ…。さて、約束をしましたし帰らなければ」
機械を離れ歩く。
が、そのときグラッと重心が傾き倒れてしまった。
一瞬何があったか分からずボーっとする。思ったより体に疲労が溜まっているようだ。
ズキッ…
「!かはっ!」
(発作…!駄目だ、帰らなきゃ…!待ってる人がいる)
そう思っても無情にも体はうまく動かず、僕の意識は遠のいていった。
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なのこの - 短刀が一刀に出出てくる話、絶対かてきょーですよね! (2016年4月21日 17時) (レス) id: aa7e90b036 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪#夜空(プロフ) - さなにゃさん» はい!ぜひ来てくださいな。楽しみにしてますね?スランプですか…。それは私たちにとっては天敵ですね。頑張って倒していきましょう。はい、私も頑張りますよ。ニコッ (2016年1月23日 14時) (レス) id: fe9fcd15cc (このIDを非表示/違反報告)
さなにゃ(プロフ) - 桜吹雪#夜空さん» コメントありがとうございます。更新待ってくれていたようでとても嬉しいです。文を書くとは難しいもので軽いスランプでした…頑張っていきますのでこの作品をよろしくお願いします。とうらぶの作品書かれているんですか!見にいかせていただきますね。 (2016年1月23日 14時) (レス) id: 52330fab08 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪#夜空(プロフ) - 最初から見てました。凄く面白いですね、更新頑張って下さい。楽しみにしてますよ?私も刀剣乱舞の作品を書かせて頂いてるので、お互い頑張りましょう。出来れば作品を紹介させて頂きたいなんて…考えてり、してませんよ。ニコッお互い、頑張りましょう (2016年1月22日 21時) (レス) id: fe9fcd15cc (このIDを非表示/違反報告)
さなにゃ(プロフ) - ↓顔文字の文字化け失礼いたしました (2015年11月24日 16時) (レス) id: 52330fab08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さなにゃ | 作成日時:2015年9月12日 11時