刀が二振。 ページ3
「さ、さっそく鍛刀を始めましょう!資材を妖精に渡してください。」
「はい、えっと、これで鍛刀お願いできるかな?」
小人はぴょんっ!と自分の手から降りるとせっせと鍛刀に取りかかった。
しばらくそれを眺めていると終わったのか小人がこっちに近いてきてなにか此方に伝えようとしてくる。
「刀は種類によって作るのにかかる時間が違うのです。主様、妖精は何時間と言っていますか?」
こんのすけにそう告げられて僕は改めて小人の声を聞こうとする。
いや、正確にはなにも聞こえないのだがなんとなく言いたい事が分かった。
「えっと…3時間20分、ですか」
「3時間20分!!?」
急にこんのすけが大声を出す。3時間20分、なにかおかしなこと言っただろうか?
「へ、あの、主様本当に3時間20分でしたか?1時間半の間違いでは…」
「いえ…3時間20分ですが…あの、なんで混乱してるのか僕にも説明して下さい」
こんのすけの取り乱しように僕はおそるおそる理由を聞く。
「ああ、すいませんでした。先ほど刀によって時間が違うと言いましたよね、それと同じに刀によって材料の量も違うのです。先ほど私が渡した材料の量では1時間半、短刀や打刀しか出ないはずなのです。しかも初めての鍛刀…本来ならば窯の設定上初期刀候補の5つのうちどれかしか出ないのです」
「つまり、あの材料で3時間20分の刀出るのはおかしいと言いたいのですね」
「はい…なぜでしょうか…私にはわかりませんが、出てしまったのは仕方ないです。主様、この他にもう一部屋、鍛刀部屋が御座います。そちらでもう一度やってみましょう!」
つまりやり直しをしろと。
普通ならそうするべきなのだろう。だが…
「いえ…やりません」
「あ、主様?」
「だって、この刀はその5つという枠を超え僕のところに来てくれたのです。それなのに放って別の刀を選ぶというのは、あまりにも酷ではないですか?」
これも運命だ、僕は僕を選んでくれたこの刀と共に居たい。そう思ったのだ。
こんのすけは暫く唖然としていたがやっと僕の言った言葉が理解できたのか「時の政府から何か言われるやもしれませんよ?」と言った。
「ははっ…結構です。なんと言われても僕はこの刀がいいです。それに、僕の家柄からして政府もあまり強くは言わないでしょう」
「それもそうですね…では手伝い札を…」
僕はこんのすけを手のひらで制した。
「手伝い札は使わなくていいです。お茶を淹れます。気長に待ちましょう。」
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なのこの - 短刀が一刀に出出てくる話、絶対かてきょーですよね! (2016年4月21日 17時) (レス) id: aa7e90b036 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪#夜空(プロフ) - さなにゃさん» はい!ぜひ来てくださいな。楽しみにしてますね?スランプですか…。それは私たちにとっては天敵ですね。頑張って倒していきましょう。はい、私も頑張りますよ。ニコッ (2016年1月23日 14時) (レス) id: fe9fcd15cc (このIDを非表示/違反報告)
さなにゃ(プロフ) - 桜吹雪#夜空さん» コメントありがとうございます。更新待ってくれていたようでとても嬉しいです。文を書くとは難しいもので軽いスランプでした…頑張っていきますのでこの作品をよろしくお願いします。とうらぶの作品書かれているんですか!見にいかせていただきますね。 (2016年1月23日 14時) (レス) id: 52330fab08 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪#夜空(プロフ) - 最初から見てました。凄く面白いですね、更新頑張って下さい。楽しみにしてますよ?私も刀剣乱舞の作品を書かせて頂いてるので、お互い頑張りましょう。出来れば作品を紹介させて頂きたいなんて…考えてり、してませんよ。ニコッお互い、頑張りましょう (2016年1月22日 21時) (レス) id: fe9fcd15cc (このIDを非表示/違反報告)
さなにゃ(プロフ) - ↓顔文字の文字化け失礼いたしました (2015年11月24日 16時) (レス) id: 52330fab08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さなにゃ | 作成日時:2015年9月12日 11時