【実況者】ゲームじゃない世界【平和組】 (ページ27)

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21話[プレイヤー……夢主] ページ27

昨日のお詫びをするためにキヨ君の部屋に行く。

どうしよう、変に緊張するな。

「キヨ君？起きてますか」

「A……入っていいよ」

その声はいつもより力なくかなり堪えているようだ。

やっちゃったなぁ。

「あの、昨日はごめんなさい。なんか急に怖くなっちゃって」

キヨ君は私の目をボーッと見ている。

何か言って。

その言葉が例え『許さない』でもいいから。沈黙は……怖いよ。

「本当に悪いと思っている？」

「うん。せっかくうちあけてくれたのに……」

ちゃんと顔を見ることができなくなってうつむく。

黙りこんだキヨ君がちょっと気になって視線だけキヨ君の方に送らせた瞬間。

ものすごい勢いで引き寄せられた。

最初は昨日のように抱き締められるか殴られると思っていたけどそれは違っていた。

押し倒されているのだ。

ベッドの上のためそこまで痛くないのだが腕をガッチリ掴まれているためちょっと痛い。

こういうとき、なんて言えばいいのだろうか。

キヨ君は私の身体をなめ回すように見ている。押し倒してからそんなことするのもなんか変だけど今のところ腕がちょっと痛いぐらいなので特に文句はなかった。

それにしても全然動けない。

男の人って本当に強いんだなってつくづく実感できるものだ。

「……おしおき、してもいいよな？」

「おしおきって……私、ぶたれるの？」

こんな状態で殴られるとか痛いだろうなぁ。でもこんなことになったのは私のせいだし。

「……ひっ!?」

キヨ君は殴る素振りなんて全く見せなかった。

きっと、最初から殴るつもりはなかったのだ。

キヨ君の手は私の太もも辺りをなぞった。

マッサージのような手のひらでグッと押しながらなぞるのではなく、人差し指でゆっくりと。

「なんでこんなこt……」

「今から10分。絶対に喋るな」

大きな手のひらで口を押さえられる。

私は必死にうなずくことしかできなかった。

どうしたらいいか考えてみた。何も思い浮かばない……

もう怖くて怖くて仕方がなかった。いい年して人前で泣くとか本当にありえないけど限界だった。。

「優しくするから。あと、その顔ヤバイ」

そんなにひどい顔してる!?

そこかよ！って感じだけどなんか……諦めるしかない。

きっと誰か助けてくれるとか前向きに考える。それしかなかった。

その予想は見事当たったようで……

「キヨ君？……A!?ちょっと、何してんの」

いつもより低めの声でレトさんはそう言った。