【実況者】ゲームじゃない世界【平和組】 (ページ12)

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10話　[プレイヤー……レトルト] ページ12

「あー……うーん……あ“～」

「キヨ君うるさい！」

「悪いレトさん。でもやっぱり気になって……」

「それは分かるけど静かにしときな。つわくん部屋で実況録ってるんやし」

「防音部屋じゃん」

「念のためという言葉知らんのか？」

p-p君とAが二人で買い物に行った。

ただそれだけだ。

そもそもあの天然ボケ二人組がいきなりイベントみたいなの起こるわけない。

いや、むしろ天然同士だから変な方向突っ走ったりして……。

ってまぁいろいろ考えちゃうけどそれはないってことにしておこう。

でも不安っちゃ不安だ。

あまりやりたくはないけど……盗聴とかした方がやっぱり安心かな。

いやいや何考えてんだ。そんなことしたら絶対引かれる。

Aは意外と敏感なのだ。きっと。

きっとなら気づかない？

まぁ様子見だ。

今は止めておこう。

「あー気になる～……p-pめ……」

「キヨ君なんか楽しいこと考えよう」

「楽しいこと？」

「そう。例えばAの浴衣を予想して当てたらなんか褒美とか」

「んー。まぁやってみるか」

よかった。

とりあえずおとなしくなる

……というのは間違いだった。

「キヨ君……興奮しすぎや」

「ゴメン。なんか想像したらめっちゃ可愛い……。レトさんのせいだ！」

想像だけでここまで興奮できるとかかなり幸せもんだよね。

「まぁ何着ても可愛いやろ。顔が童顔だし」

「うん!!セーラー服とか普通にいけるよきっと」

「一度コスプレ大会でもやるか？」

「…………それなら毎日のようにやっているんじゃない？」

いつの間にかつわくんがいた。

うるさすぎたかな？

というか毎日のようにやっているって？

「Aちゃんはかなりのコスプレマニアだよ」

「嘘!?一回も見たことないけど」

「あいつ暇さえあるとコスプレ館……は希に、ほとんどゲーセンに行ってる」

「ゲーセン？……あぁプリクラか」

「ちなみに養護教諭になった最初のうちはずっと白衣着てた」

「そういやそうだったわ……てっきり養護教諭になれたからかと」

「なんでつわは知ってるんだ？」

「たまに見せてくるんだよ。プリクラ帳を。すごいよ」

「なんでオレらには教えないんだ？」

「『引かれるから嫌だけどつわさんなら平気そう』って言われて見せてもらえた」

つわくん羨まし過ぎるんだけど。

そっか。

Aはコスプレマニアなのか……。

引くどころかむしろ萌えるんだけど。