27 ページ27
ぼくが最初に会ったのはアヤトだった。割と最初の方で自分が誰だかわからなくなってた時。あのくらい、暗い、血塗れの部屋から連れ出してくれた、初めて甘える事を教えてくれた人。
次に会ったのは有馬さん。あの頃の彼は、とても表情豊かで…でも誰にも本心を悟らせない人だった。だからなのか、少し気になって…気がついたら自分から話しかけていた。因みにその世界でぼくと有馬さんは異母兄弟だった。他にも二人の兄と一人の姉と弟が三人…ぼくと有馬さんを含め合計八人の子供がいたけど、母は三人いた。その世界での死因は毒殺で、序列がぼくより下だった二番目の姉に殺された。
三番目に会ったのはタタラさん。ぼくは仲間(ぼく自身はそう思った事なんて一度もないけど)に裏切られてありもしない罪で投獄された。彼とはそこで出会った。同じ囚人同士ってだけで、別に仲良くもなんともなかった。歳は割と近かったけど。それでもこの世界では未成年といえる年齢で(その世界では15歳からが成人だった)、犯した罪だってぼくは(冤罪だけど)放火、彼は強盗殺人だった。そんなある時彼は偶々ぼくが冤罪である事を知ったらしく、偶々席が隣だった夕食の時間で話しかけてきた。その時のぼくは裏切られる事に慣れ過ぎていて、濡れ衣を着せられてもああ、またか位にしか思わなかった。…うん、慣れって恐ろしい。だからだろう、それから彼と話す事が多くなったのは。けど結局ぼくは汚名を濯ぐ事が出来ず(というか諦めてた)数週間後、死刑に処された。
最後に会ったのはちえ。RPGみたいな世界で、獣人(しかも女体化してた)ぼくを庇ってくれた。彼女は人狼のハーフだったらしく、ネコ科のぼくとはあまり相性がよくなかったが人間よりは信頼できるやつだった。その世界での彼女は有名な画家で、よく指名手配のポスターなどを描いていた。反対にぼくは暗殺がメインの冒険者(種族は隠して)として結構な額がかけられた賞金首。…でも、彼女は何もしなかった。ぼくに殺されるかもしれないのに。それどころか彼女はぼくの似顔絵として全く違う顔を描いた。まあ、結局ぼくは腐った貴族を狩ってた時に雇われていたであろう勇者(異世界から召喚されたチートでドクズ)に捕まって…目の前でちえが殺されたのにキレてそいつら全員ぶち殺した後首切って死んだんだけども。
それから時々転生先で彼らに会うようになって…。
「でも、全員一緒なのはこれで三回目だな。なんだろ、なんか…すごいあったかい。」
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←26
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マツリ(プロフ) - 教えて下さり有難う御座います。 (2019年6月23日 13時) (
レス) id: e627b5fc29 (このIDを非表示/違反報告)
天草 - おそらく4が抜けている、もしくは非公開になっています。改善よろしくお願いします。m(__)m (2019年6月23日 9時) (レス) id: c94aad104c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マツリ | 作成日時：2019年5月25日 18時
