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…目が覚めると、知らない天井が見えた。
「なんで…。」
ああ、そうか。
「死にそびれたか…。」
俺がそう言った瞬間、襖が勢いよく開いた。
一「薬研、目が、覚めたのですね。」
「いち兄…。」
なぁ、なんであの時、俺を助けた?なんで死なせてくれなかったんだ?なんで…
「なんで、俺は折れてないの…?」
一「薬研。」
「皆折られたのに、なんで俺は折れてないの?なんで…。」
今でも覚えている。怯えきって、瞳を恐怖で満たして…そして折れていった仲間たち。最後に残っていたのは、俺たちが死ぬ気で探した鶴丸とあの女に従順だった長谷部、それに厨で料理を作っては夜伽の相手をさせられていた燭台切だけだった。
一「薬研!!!」
ああ、如何して俺は
「本当に、なんで生きてるんだよ。何も出来なかった癖に…。」
守りたかった。守れなかった。…戦友も、兄弟も。俺は無力だった。あまりに弱くて、結局守られた。
「…役立たず。」
ごめん。
「誰も守れない。」
ごめん。
「みんな犠牲にして。」
ごめん。
「自分勝手。」
ごめん。
ごめん。ごめん。
「ごめん、なさい。」
一「薬研、休みなさい。」
「ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ…」
一「……薬研、よく…頑張ったな。」
ごめんなさい。
一「もう、大丈夫。安心して眠りなさい。」
ごめんなさい…いち兄。
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一期の口調がわからない。
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暗闇 - 頑張ってください (2019年9月19日 0時) (携帯から) (レス) id: 737802ebc6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼深月(プロフ) - すっごく面白いです!頑張ってください! (2019年9月9日 23時) (レス) id: 1231530362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マツリ | 作成日時:2019年2月21日 1時