大切にしてたぬいぐるみ達が人間になりました！？〘iris〙 (ページ9)

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時の雨ページ9

『父さん！！！母さん！！！』

「逃げなさい…っ！！！」

『嫌だよ…なんで1人にするの！？』

「早く！！」

父さんの浮遊能力で僕は外へ放り出された

『父さん！！！父さん開けて！！！』

「贄2人の死亡確認完了。1人逃亡中」

「即座に捕まえろ。殺しても構わない」

『っ…！？』

逃げなきゃ…逃げなきゃ殺される…！！！

僕は生まれつき小さな精霊が見える。

だから道案内を頼んだ。

小さな石に躓いてしまった

『うっ！』

痛い…！！でも走らなきゃアイツらが…！！

"こっちよ。"

「見つけたぞ！！！」

"早く！！！"

『はっ…はぁっ』

逃げ込んだのは庭園。

彩りどりの薔薇が咲いていた。

逃げて逃げて逃げる。

このままじゃ、追いつかれる…！！

その時___

「♩＿＿♫＿＿＿＿」

綺麗な鼻歌が聞こえてきた。

誰かいる…！助けを呼べば…！！！

声のする方へ走った。

薔薇の花園を抜けて出た。

『…！』

一瞬天使かと思った。

だけどそんなことは今思うことじゃない。

「どうされたんですか…？」

心配そうに僕を見つめる少女。

『お、追われてて…』

息切れでなんとか言葉を紡ぐ

「うーん…私の後ろに隠れていてくれますか？」

少し考える仕草を取った後、

微笑んでそう言った。

少女1人で大丈夫だろうか…

だってこの子________

魔力が一切感じられない

追手がやってきた。

戦うしかないのか…！？

すると少女が叫んだ

「目の前で誰かが傷つくのは見たくないんだ！！」

俺は見た。いや見てしまった。

氷の凍る音と共に少女の柑子色だった瞳が

空色と藤色のオッドアイになった。

しかもあの魔法は…イムさんの…

魔法を放った少女の瞳は元の柑子色に戻っていた

その後、少女の名を知った。

彼女はAさんというらしい。

(…まさか、な)

家に居候することをすんなり了承してくれた

僕はこの時から名前さんに____

恋していたんだと思う

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