桜木ちゃんと刀の日和【刀剣乱舞】 (ページ8)

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陸話ページ8

「改めまして、私の名前はこんのすけ！
時の政府の式神です！
以後、よろしくお願いいたします！」

『はあ』

ちょっと追いつかない。
思考が、ちょっと。ちょっと無理。

「えー、A様でよろしいですよね？」

『はあ』

「良かった！では早速、諸説明に入ってもよろしいですか？」

『…はい』

ここは本丸。
日本の昔のお城のようなもの。

私と刀の神様の拠点となるところ。

以後、出陣の話や政府からの伝言、お母さんからの手紙などはこんのすけさんから来るそうだ。

建物の説明はざっとしかしていない。

あまりに広いので、審神者として大切なお部屋のことと私の部屋、空き部屋とお風呂とトイレ(かわや)とキッチン(くりや)の案内で限界だった。

もっと詳しい話は、私が立ち入ろうとした時にしてくれるそうだ。

こんのすけさんは、私の説明書のようなもので、とりあえず私から初心者マークが取れるくらいになったら
呼ぶまで消えているらしい。

…自分で「説明書のように接してください！」と言ったのだ。

「で、本題です」

『はい』

ここに来るまでに30分程度かかった。

なかなかの豪邸(と呼んでいいものか分からないけれど)なので、移動もなかなかしんどかった。

現在地は本丸の一室。

「貴方にはまず“初期刀”と呼ばれる、最初に政府から配布される刀を

この5本の内から1本、選んでいただきます」

『…凄いなぁ』

再び「ボフン」という音と共に5本の刀が現れた。
本物の刀を今まで見たことも無かったので、少し感動する。

神様というのはやはり目に見えないものなのだろうか。

今のところ何も見えない。

「刀の主人である貴方が選べば、その姿が具現化されますよ」

『…あの、心を？』

「いえ、表情からです！」

参ったな、私は顔に思ってることが出やすいらしい。

母譲りな気がする。

さて…
と息をついてみるが、結構すぐにもう初見から決まっている。

見た目だけで決めてしまったのは少々申し訳ないが、多分許してくれると思う。

『私この、赤い刀がいいです』

そう言って指をさした瞬間だった。

その刀は沢山の桜の花びらに囲まれて、

輝き、花びらを散らせ、

その周りにあった刀はもう何処にもなく、
代わりに

私が指差した刀を持った、男性が現れたのだ。