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参話 ページ5

は?


聞き間違いにしたい。
だって
そんな馬鹿な話、ある?


お母さんの顔にもそう書いてある。




「お言葉ですが」




ここでお母さんが口を開いた。




「その訳の分からないお話に大切な一人娘を預けることはできません。

娘の言う通り、この話は余りにも理不尽です。
娘がいつどういう危険なことに遭うかも分からないのに、了承しかねます」


「ええ、おっしゃる通りです…ですが、
この国の過去と未来がかかっているんです。
守るには、Aさんの力が必要なんです。

…今、頷いていただけない場合、強引に連れていかなければなりません」




えぇ…?
それが国のトップがやることなのかな…

脅しじゃない…?

でもそこまでするって…




『…じゃあ
仕方がないので

お引き受けいたします』


「A…」




内心嫌々ったら嫌々なのだけれども。

一市民(わたし)1人にそこまでしなきゃならないのって大変だろうな。




「本当ですか!ありがとうございます!」


「A、本当にいいの?
危ないかもしれないよ?」


『だってさ、どうせ断れないんでしょ?
危なくないかもしれないし
大切なことらしいし』


「それでもねぇ…」


『政府さん、了承したから詳しい話を聞かせていただけるんですよね』


「ええ、もちろんです」


『ではまず母に、』

「申し訳ないのですが、
極秘事項ですので直接関係者以外にはお話しできません」




……そんな馬鹿な話ある…?
というか、そんなやましいお話なの…?




「私はAの母です、聞く権利は当然、」

「申し訳ありません、貴方はAさんのお母様です。
間接的な関係者様にはお話しできないのです」


「そんな…」




とても一方的に相手が都合の良い話だと思った。

何も知らされないお母さんは、きっとすごく心配してる。




『お母さん、私多分大丈夫だよ。

連絡は取り合えますか?』


「ええ、1週間に一度程度で守秘義務を守っていただけるなら」


『らしいし』


「それでもね」


『大丈夫だって。
少しの間食費と電気代が浮くだけだから』


「それに、お二方が思うような危険なことはございません。

これ以上は申せませんが、簡単に言うと
Aさんの審神者というお仕事は、神々と一緒にお仕事するものです」


『神様と…?』


「ええ、これ以上は本当に申し上げられませんが」




私は神様と仕事するのか…
私で大丈夫かな…


お母さんの不安そうな表情は、未だ拭えない。

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作者名:雪だるま太郎 | 作成日時:2018年7月19日 22時

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