さんじゅうはち ページ2
「うわぁ、来た来た来た来た!!」
「ナイフ一本じゃ殺せねーよ!!」
「どーすんだこの「問4」!!」
とてつもなく大きな怪物達がE組に容赦なく襲いかかる。怪物が渚にグワリと口を開き、噛み付こうとした。
中間テスト。
全校生徒が本校舎で受ける決まりであり、この日はE組生徒も本校舎へ入ることが許される。敵の本拠地でのテスト。つまりE組だけ、アウェーでの戦いとなる。
コツ、コツ、コツ、と規則正しく教卓を叩く音がE組がテスト中の教室内に響いていた。ゲフンゲフンとわざとらしく咳をする。監視官はD組担任の大野。そいつが露骨に生徒達の集中を乱しに来ていることは明らかであった。
「E組だからってカンニングなどするんじゃないぞ。俺達本校舎の教師がしっかり見張ってやるからなー。」
うるせぇ誰がするか馬鹿。Aはそんな本音がもう喉のすぐそこに来ていることを感じながら、怪物と向きあっていた。出来るだけの勉強はしたつもりだ。いつもはあまりしっかりと勉強をしないため、A組最下位など言われていたが。全てはあの護衛ケツを見返すため。Aは真剣にやっていた。
持っているシャーペンが一本のナイフへと変わった。椚ヶ丘中学校は、名門だ。そにため、テストのレベルは凶悪である。このままだと問題に殺られる、と渚は思った。
その時だった。渚の手に救いの触手がニュルンとおりた。
「ちゃんと教えたはずですよ。あれは正体不明のモンスターではありません。あのヒレからよく観察してみましょう。ホラ、落ち着いて見ればただのヒレです。1ヵ所ずつ問題文を見極めて、それらを繋いで全身を見れば。ね、なんて事ない相手ですねぇ。さぁ、君の刃で料理してしまいましょう。」
殺せんせーの声が頭の中に響き、怪物だった問題がだんだんと掴めてきた。
E組全員が分かる、という感覚を感じた。大野が焦って周りを見るくらい、この教室には文字を書く音が響いていた。
こないだまでとは違う自分が解いているみたいだ。
この問題なら殺れる。次の問題も、次の問題も。全員が勝利を確信した。
・・・・・・はずだった。
黒い問題が渚の背後でうごめいていた。次の瞬間、渚達は背後から見えない問題に殴り殺された。
その問題達を操って、怪しく微笑む理事長の姿を見た者は、いなかった。
*********
護衛ケツって誤字じゃないんです。
452人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あげは - 面白いですね! 更新楽しみにしています! (2017年9月28日 21時) (レス) id: c30b30fba1 (このIDを非表示/違反報告)
春星 千風波 - 頑張れ。です。更新待ってます、殺せんせーが地球を滅ぼすまで。スマホ握りしめて。 (2017年9月4日 13時) (レス) id: 0c4f4061b2 (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 大丈夫ですよ!!更新応援しています!!ですが、あまり頑張りすぎないで下さいね?たまには休息も大事ですので!(^^*) (2017年4月10日 19時) (レス) id: b02b0b0ebf (このIDを非表示/違反報告)
麗香(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます!これからどうなるのか、自分でなんとなく考えたりはしているんですが、文章にしようとするととてものろまになってしまうので申し訳ないです。更新頑張ります! (2017年4月9日 16時) (レス) id: 35baa39e01 (このIDを非表示/違反報告)
麗香(プロフ) - もっち〜♪さん» コメントありがとうございます!これからも見てやって頂けると光栄です! (2017年4月9日 15時) (レス) id: 35baa39e01 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麗香 x他1人 | 作成日時:2017年1月27日 20時