FLYHIGH 3

りょう ページ21

たぶんキミくんが帰ってきたんだろう
階下の玄関に人の声。


りょお
ちょぉまっとってな


と言って章ちゃんは俺の頭をひと撫ですると
マルも連れて
部屋から出ていってもうた。

たあくん、きたんかな
こんな俺、どうおもうんやろな。
自分でもわけわからんて思うのに。

男のくせにグジグジして
自分から友達でって言うたくせに
友達じゃ感じない感情を抱いてる。
それに気づいたけど
でも、なんも言われへん臆病者。
オトコやのに。

考えれば考えるほど、己の愚かさや
情けなさが露呈していくようで。
このまま会って、何話すん？

考えとったらまた、頭グルグルしてきて
気持ち悪くなってきて
でも、だれもそばにはおれへん。

意を決して立ち上がろうとしたのに
膝から力が抜けて
立ち上がった瞬間、崩れ落ちてもうて
予想外の音を立ててもうた。

階段を駆け上がってくる音を
遠くに聞いた気がする。


気づけば冷たい手がオレのおでこにあてられて
ああ、この手、キミくんや
って安心する。


キミくん……
たあくんおるん？


視線を巡らせれば
キミくんの向こうに腕組みするす ばくん
泣きそうな顔の章ちゃんがいた。

思ったより掠れた声に自分でも驚いたけど
それでも努めて冷静に、きいた。


おん、お前に会いたいて


そか。
待たせてもうた？
……キミくん
たあくんとこ
行かせて

たあ→←たあ

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