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私たちは、ヒーローに憧れていた。
オールマイトが2人とも大好きだった。
兄が、オールマイトの真似をして、妹の私がそれを見ていた。
私はあまり感情を表に出すのが得意じゃなく、真似はあまりしなかった。
幼稚園でも、ボーッとしているとよく友達に怒ってる？と聞かれるほどだった。
感情がとてもわかりにくく、出にくい子だった。
私たちは、個性が出ないことを不安に思った母に病院へと連れていかれた。
医者の診断結果は、
“無個性”。
愕然とした。
憧れるヒーローにはなれないのかと思った。
それはそうだ。
私たちの憧れたヒーローという職業は、
個性ありきで成り立つ職業。
医者になりたいのなら医師免許が必要なように、そのヒーローという職業には“個性”という資格が必要だから。
もうなれないのか。
憧れるヒーローに。
オールマイトに。
なれないのか。
なれない。
ナレナイ。
なれない。
ヒーローには。
“なれない”
その時の私の頭には、
ヒーローにはなれないという言葉が、鳴り響いていた。
ふと兄の方を見るとひどい顔をしていた。
そのまま顔を横に向け、診察室の壁についていた鏡を見た。
私も、兄と同じような顔をしていた。
この時だけは私も絶望が顔に出ていた。
「超カッコイイ、ヒーローさ。僕も、なれるかなあ。」
私は、母の見えるところで絶望が顔に出なかったのだ。
私が絶望していると傍目でもわかるような顔をしていたのは、後にも先にもあの診察室だけだった。
幼稚園の友達に言われたように、
“感情が出にくい顔”だったから。
兄の方が感情表現がうまかったのだ。
嬉しい時は笑って、悲しい時は泣いて。
子供らしくて無邪気な普通の子だったのだ。
何をしても顔に出ない、能面のような私と違って。
家に帰って、自分の夢が叶わないことをようやく理解した兄は。
一緒に椅子に座っていた私の横で兄は。
母に絶望を、悲しみを、
子供らしく大粒の涙を流しながら母に語りかけた。
「ごめんねえ出久、ごめんね・・・！！」
そして兄は、
母から私を
私という存在を
奪っていったのだ。
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ムツキ(プロフ) - 続きめちゃめちゃ気になります！更新楽しみにしています！！ (2022年1月5日 15時) (
レス) @page39 id: 82e68addf8 (このIDを非表示/違反報告)
りるらる(プロフ) - も、戻ってきてください（泣）凄く素晴らしい作品で続きが気になります！ (2020年9月3日 7時) (レス) id: f416c95a7c (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ81194(プロフ) - すっごく面白いです！私こう言う小説好きで色々読み漁ってたんですけど、この小説みを見つけてめっちゃ好きになりました！！更新頑張って下さい！待ってます！！ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 1e30984a66 (このIDを非表示/違反報告)
りあね(プロフ) - わああああああああああ すいませんんんんんん作者受験生になっちゃったんですよおおおお申し訳ございませんんんん (2019年7月24日 21時) (レス) id: f8d679acb0 (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - ﾝｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞめっちゃきになるぅぅぅぅ何故に更新停止！！！！！お願いだァ！更新頑張って、、、、、、、、 (2019年6月17日 9時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りあね | 作成日時：2017年12月30日 19時
