星降るﾖﾙに～short story mix～ (ページ6)

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暗闇【停電の夜には】ページ6

私「あっ、停電だ」

「ホントだね」

部屋中からあかりが消え、一気に闇に包まれた。

昨日から台風が接近している。上陸の恐れもあるらしい。

私「大丈夫かな～。とりあえず、懐中電灯つけよっか」

俺の彼女は非常に用意周到。もちろん防災用の懐中電灯の位置も把握済みなわけで。

「はやいな、持ってくるの」

ﾊﾟﾁｯ

私「どう？オバケ。わあ～～～」

下から照らしてみる彼女はまだ子供だ。

と、急に懐中電灯のあかりが消えた。

私「あれ？どうしたんだろ……」

「ちょっと貸してみ」

ポチポチとボタンを何回も押してみるが、変化がない。

「多分電池切れやな」

私「あっじゃあわたしロウソク持ってるよ。この前買ったの」

そういい彼女はマッチで火をともす。

「こういうのもたまにはええな」

ロウソクの火で壁に影ができる。その壁にうつる2人のシルエット。

君しかいない
君しかみえない

私「いつ復旧するんだろ？停電なんて久しぶり」

このままずっと
僕のために

「せやな。今日仕事少なくてよかった」

私「わたしも今日暇で良かった。っていうかどこも行けないけどね」

笑顔をみせて

チュ、と不意打ちにキスをしてみる

初めは驚いていた彼女も次第に笑顔になり

甘く深いキスに変わってゆく

＿＿＿＿真実をひとつにしたね

2人、机の上で揺れる炎を眺めながら、暗闇を過ごす。

なんて幸せな時間なんだろう。

普段とは違う幸福感、Aへの愛情が沸き起こる

周りは暗闇、見えるのは彼女だけ

雨風の音がより強く感ぜられた

見えるのは彼女だけ

＿＿＿＿激しい嵐の夜だって

静かに時間は過ぎていく

2人の瞳にうつっていたのは

…永遠