Distance【S.K】 (ページ22)

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「でも寂しくしてるだろうし、ね？」

って私は何聞いてるの。

しげあきの口から彼女がいる事を
教えて貰いたいだけ？

それとも何？何を知りたいの？

『あいつが寂しくなるわけ無くない？』

「でも、女の子って傷付きやすいから』

『ん？』

「ん？」

『待って、なんで女の子が出てくるの』

「…へっ？」

隣に座ったしげあきがこっちを見てくる。

『お前、なんか誤解してる』

「ご、誤解、ですか」

『てっきり画面見てたのかと思った』

「見てないです」

そう言うとしげあきは画面を見せてきた。

『まあ、ある意味女の子だな(笑)』

「えっ」

画面には＂手越祐也＂の文字が。

『あいつジャスティン好きだから
手越からの着信はこれにしてるの。
分かりやすいようにな』

笑うしげあき。

「てっきり、彼女だと思ってた」

『はあ？アホかお前』

パチンッと軽くデコピンをされた。

「いったぁい！何すんのさ！」

『こんな忙しいのに彼女なんかいるわけねえだろ』

「だっていそうだったんだもん」

『いたとしたら、お前家に呼んでない』

「ばかしげあき」

『ばかで結構』

「ばーかばーかばーーーーか」

『はいはい、分かりました』

こんな行き違いがあって
お酒の力を借りずに
あの頃の関係に戻れた気がした。

『気になってくれたんだな』

そんなしげあきの声なんか知らずに。