繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【7】

番外編「……世界って広いんだな。」 ページ23

ゆき 様リクエスト
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岩本side





「おでかけしよう」と翔太に言われたのが今日のお昼。
そして、今は午後5時半。




村｢ ひかるくん…… ｣
『 …大丈夫だからな。』




ラウールが、不安そうな顔をして俺の手を握った。
それもそうだ。
お出かけしようと言われて俺らが思い浮かぶのは、いつも行くショッピングモールである。
しかし、こんなに日も落ちてきてまだ家を出ないなんて…
……やっぱりおかしい。




村｢ 翔太くん、僕のこと嫌いになっちゃったのかな？｣
『 …そんな訳あるかよ。』
村｢ 翔太くんにも捨てられちゃうのかな…… ｣




ましてや、ラウールは“おでかけ”という言葉にトラウマがあって敏感に反応する。
翔太のやつ……今までそれを良い思い出で上書きしてきた癖に……また悪い記憶にするつもりなのか。




深｢ なべ達、どこ行っちゃったんだろうなぁ ｣




翔太は、昼に沢山の荷物を抱えて家を出て行って
未だ帰ってきていない。
みっちーもいない。
俺とふっかに｢ 舘さん1人だと大変だろうから、子供たちのことお前らに任せた ｣と言葉を残して2人してバタバタと走っていった。
一体どういうこと…？
舘さんは、ちょこちょこ俺らの様子を見に来てくれるけど基本的にずーっとキッチンで何か作ってる。
忙しそうだから話しかけられない。




『 みんなでトランプしよっか。』
康｢ せやね… ｣
佐｢ じゃ、じゃあ佐久間さんが配るね〜 ｣




怖いのはラウールだけじゃなくて、他のみんなもラウールの前ではお兄ちゃんで居ようと強がっているだけ。
本当に……今日は3人ともどうしちゃったんだ。

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